思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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今日はバイトの日。

学校が終わってから私は直ぐにバイト先であるお父さんのお店に早歩きで帰った。

いつものように自前のメイド服に着替えてお仕事開始!

カランカラン、と来客を告げるベルが入り口で鳴る。

テーブルを拭いていた手を止め、いつものように入口に顔を向ければ見知った顔。

「いらっしゃいま…」

私は完全に動きを止めた。

まさか見知った顔が来るとは思わなかった。

「あれ?織武先輩?」

「ホントだ!」

うわーうわーうわーっ!

松風君に西園君、狩屋君…と、まだ名前を聞いていない紫色の髪の男の子とマネージャーの子。

サッカー部の剣城君を除く一年生が集まってしまった。

どうせ剣城君はゆっちーのお見舞いだろう。

「てかメイド服って…」

狩屋君、引かなくなっていいじゃないか。

「泉、友達か?」

奥で仕込みをしていたお父さんが顔を出す。

「後輩だよ」

顔だけお父さんに向けて言う。

「なら暫く休んでもいいぞ」

気を効かせてくれたのだろうか。

申し訳ないのだが、別に疲れてないから休憩とかいらないや。

取り敢えずお父さんには分かったとだけ返しておく。

「おかえりなさいませご主人様とか言わないの?」

狩屋君の一言で逆に私が引いちゃうわ。

そうか、狩屋君はメイドさんが好きなのか。

ちょっと構われた屋さんっぽいもんね。

世話焼かせが得意そうだ。

「…追加料金400円程かかりますがよろしいでしょうか?」

「高っ!」

「冗談だよ」

ちょっとイラっときたから親しくもないのについきつい冗談を言ってしまった。



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