思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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ごめんよ、狩屋君。
でも私をイラっとさせた君が悪いんだからね!
「テーブルにご案内します」
取り敢えず5人をテーブルに案内するが、4人席なので2、3に分れてもらった。
メニューを広げている間に私は水とおしぼりを配っていく。
ご注文がお決まりでしたら〜というウェイトレスの定型文を言ってから、カウンターの一番端の席にスカートの裾を気にしながら座った。
見知った顔の前でこの格好というのは大分そわそわするものだ。
今から着替えてくるのは逆に変だ
ああ、明日学校行きたくないや。
呼び出しベルがあるのにも関わらずすみませんと声がかかった。
私がベルの音に気付かなかった訳ではないのにだ。
カウンターの椅子から降り、メモとペンを持ってテーブルに向かった。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
可愛げもなく言った言葉はウェイトレスの定型文。
「先輩サービスとかしてくれないんですか?」
頬杖をついて狩屋君が言う。
「サービス?」
反復して私が聞き返す。
確かにうちの店ではサービスというのは無料券だとかあるけど。
「奢ってくれたりしないんですか?」
「奢ってあげれるほど仲良くなったっけ?」
私がちょっとキツイ事を言うと狩屋君はちぇっとそっぽを向いてしまった。
拗ねちゃったかな?
それから注文をとり、店の奥の店主であるお父さんにメニューを伝える。
それが例えお父さんが作るものじゃなくても伝えるのがルールだ。
というかさっき休んでいいって言った癖に、私に働かせるのかお父さん。
プリンはあと6個しかなかったのでちょうどいい。
この際自分も食べてしまえ。
「お待たせいたしました」
注文された飲み物とプリンを人数分お盆に載せて、テーブルへ持って配っていく。
「あれ、プリン一個多くないですか?」
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