思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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「うん、嬉しいよ。ありがとう」

ゆっちーはあまり気にしてないみたいだからいっか。

気にしないフリしているのかもしれないけど…。

プリンが無駄にならないで済む、と喜ぶと同時に、私はプリンを食べれないのかとちょっとがっかりするのだ。

「あーんとかやってくれないの?」

…今なんと?

「すみません、ゆっちー今何と言いました?」

「だから、あーんとかやってくれないの?」

聞き間違いじゃないらしい。

食べさせるのなんて別に減る物ないんでいいんですけどね。

剣城君や鬼道監督で予行練習2回もやったんですし。

「ちょっとだけですよ」

ゆっちーからプリンとスプーンを渡されてミッション開始だ。

蓋を開けると甘い香りが鼻腔をくすぐる。

私の手作りプリンもう一個持ってきて私も一緒に食べればよかったなー。

今更取りに戻る気もないんですがね。

「はい、あ〜ん」

スプーンの上でとろけるプリンが揺れる。

柔らかいので一度に多くは掬えない。

プリンはやがてゆっちーの口の中へと消えていった。

「ん、おいしいよ」

ダメだ、私とゆっちーじゃ先輩後輩のそれに見えない。

寧ろ介護にしか見え…失礼。

年齢差が問題なんじゃない。

場所柄がね、ほら、病院だから…。

そう思わざるを得ないんだよ。

これなんてプレイ?

「ありがとう」

ゆっちーは私の手からプリンとスプーンを控えめに取った。

どうやら1回で満足したようだ。

確かに私ちょっとだけと言いましたが3、4回位だとてっきり…。

まぁ、それを言ったりしませんが。

自分の学校の試合中病室でゆっちーとイチャついてたとか絶対言えない。

不謹慎すぎて言えない。






これなんてプレイ?


(寧ろお医者さんごっこですね、分かります。)

(まぁ、ゆっちーがプリンを気に入ってくれて何よりだよ。)



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