思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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なんだかんだいって雷門は準々決勝へと勝ち進めて行っていた。

私は準決勝か決勝は生で見たいと言うちょっとカッコいい事考えていた事を思い出した(つまりはまぁ、準決勝や決勝に雷門は勝ち進むと信じ切っていた、と言っても過言ではない)。

多分今日もグラウンドでサッカー部は練習しているに違いない。

まぁ、天城先輩がどうのこうのとか言っていたが、あまり交流のない私にはどうしようもない。

そう言えば私、鬼道監督にマネージャーやらないか誘われたまま全然返事してないや。

まぁいっか、また今度で。

どうせ鬼道監督も今はもう忘れているに違いない。

私はいつものようにゆっちーを訪ねていた。

「こんにちはゆっちー」

私はいつものようにゆっちーに挨拶した。

「こんにちは泉ちゃん」

このやりとりがだいぶ定型文になってきたなーと思う今日のこの頃。

「泉ちゃん、一ついい?」

食べるのを再開したゆっちーが言う。

「なんですか?」

「泉ちゃんっていつも前髪で顔隠してるけどどうして?車に轢かれそうになったりして危なくない?」

どうして、どうしてと言われましても…。

「そ、それは…癖といいますか、慣れといいますか…。というか車に轢かれるとか具体的過ぎて怖いんですが」

イベントでは普通に顔とか晒してるのに…。

自分でもいつの間にか理由を見失っていた。

何を恥だと思っているんだろ…。

「泉ちゃんの顔、見たいな」

なんとなく言うと思ったよ。

このパターンならそう来ると思っていたよ!

「ダメです!私ブスなんで見たって楽しくないし、ゆっちーの目が腐りますよ!!」

「え、泉ちゃんってメデューサみたいな能力でもあるの?」

なにそれメデューサとか怖い。

石になっちゃうじゃん。

ゆっちー結構ファンタスティックな事言うんですね。

「いえ、決してそんな能力がある訳ではないですけど…」

「じゃあ、いいでしょ」

「え、いや、あの…」

ああああなんて言い訳すればいいんだ。

「俺、明日誕生日なんだ」



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