思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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誕生日…!?
え、ゆっちーいくつになるの!?
「えっ!?明日誕生日なんですか!?おめでとうございます!プレゼント何がいいですかね?あ、ケーキはどの味が好きですか?私明日作ってきます!」
「いや、ケーキはいいよ。でも誕生日プレゼントのつもりで見たいな…」
明日誕生日なのか、ちょっとだけなら…。
別に学校とかじゃないし、知り合いがここにいるわけでもないし…。
「…ちょ、ちょっとだけですよ…?」
自分の髪に触れ、髪を除ける。
ああああ、ヤバイ、もう帰りたい。
「あの、そんなにじっと見られると恥ずかしいんですが…」
「かわいいよ」
ふわりと優しい笑顔。
「社交辞令ですか」
「いや、そんな事無いよ。可愛いと思ってるから」
そうやって簡単に言われると恥ずかしい。
「もう、むり、恥ずかし過ぎて死ねる」
パッと髪を押さえていた手を離し、顔を背け、呼吸を再開した。
緊張でもう呼吸できなかったから息が苦しい。
「泉ちゃん」
「なんですか?」
浅い呼吸を整えながらゆっくりとゆっちーを見る。
「実は明日誕生日なんて嘘なんだ」
「…え、なにそれどういうことですか」
「ごめんね」
ゆっちーは苦笑している。
え、つまり明日は誕生日じゃないって事…?
騙された…?
「酷いです!嘘ついたんですか!?」
「そうやって簡単に人を信じ過ぎると危ないよ。ちょっと心配だな」
「それはゆっちーを信用しているからです!それに私結構人間不信のつもりです。学校の人達なんてそれ程信じてませんから!」
ああ、酷い…。
損したわ…。
「俺の事、信用してくれてるんだ」
「ま、まぁ、信用してますけど…」
なんかゆっちーは嬉しそうに笑っている。
私はしょぼーんな気分だよ。
「そっか」
まぁ、ゆっちーが幸せそうで何よりだよ。
嘘
(嘘吐かれたのにそれほど気分は、)
(悪くない。)
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