思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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今日は幻影学園との試合だ。
どちらが準決勝に進むかという準々決勝戦。
場所はピンボールスタジアム。
私あのゲーム好きなんだよね。
小学校の時パソコン室でひたすらやり込んだ時期があったわ。
勿論私はゆっちーと病院でテレビ越しに見ているのだがね。
あの仕掛け、多分3秒くらいで発動してるんだろうなー…。
「泉ちゃんは京介の事好きなの?」
それを聞いた瞬間私の動きが止まった。
喉の奥がヒュッと鳴る。
人は驚く時に素早く息を吸うと言うが、まさにそれだ。
何と言うか、階段から落ちそうになった時とか思わず一瞬固まってしまって結局階段から落下してしまうようなあれ。
でも一瞬固まるのは個人の気の所為で、本当は驚いた一瞬の目から入る情報の処理量が増えて、目から入ってきた映像がゆっくり流れるように見えるだけだ。
というか、え、なんですか急に…。
「それってラブの方の事ですか」
間を入れずにゆっちーが答える。
「うん」
恋愛感情で剣城君が好きか…。
どうなんだろう…。
好意を抱いているのは確かだ。
でも今の所嫉妬心が芽生える事はないし、それなら恋愛感情ではないのかもしれない。
「私、友達とか少ないんですよ。だから剣城君を含めたその少ない友達全員が好きです。家族みたいに大切だと思ってますよ…勿論ゆっちーも好きです。その人達の為に何かしてあげたい…これがラブって事ではダメなんですか?」
きっと私は剣城君やゆっちー、拓人君や蘭丸君の事を家族の様に大切にな人として見ているに違いない。
だから恋愛感情だとかそういうの抜きで好きなんだと思う、多分。
「付き合いたいとか思わないの?」
「お、お付き合い…どうでしょうか…。今の幸せで満足出来てるので…。それ以前に一定以上仲良くなるとそれを恋だと思いたがる傾向があるので勘違いで片付ける事にしているんです…恋と言うのは難しいですね」
勘違いじゃないと言うなら私の初恋は幼稚園の時だし、そこから数えるときりがない。
どんな浮気性だ。
「それってなんか勿体ないよ」
ゆっちーは眉を垂らした。
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