思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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サッカー部内では不穏な空気が漂う。
原因はなんというか、やっぱりフィフスセクターだ。
どうやら最近は学校を潰し始めただとか。
潰し始めた…?
やだなにそれこわい。
イシドさんがそんな事するの?
私を助けてくれたのに?
私を助けてくれるような人にそんな悪い人が居る筈がない。
きっと何か事情があるに違いない。
じゃないと私が困る。
後で電話しよう。
中には逆恨みする人もいるらしい…。
なにそれ規模でかいね。
あれだよね、ヒーローぶるから犠牲がでるってやつだよね。
松風君は戸惑っているようだ。
「俺達が戦っていれば…」
みんながこの調子だと士気を上げる中、松風君は小さく呟き、部室から出ていってしまった。
みんなが突然出ていってしまった松風君を心配する。
多分みんなどうして不安がるのかが分からないんだ。
自分達は正しい事をしていると信じ切っているから。
「放っておけよ、今はそれが一番いい」
剣城君の一言で追おうとしていた人が行く事をやめる。
確かにどうして出て行ったか理由も分からないのに追った所でどうにもならない。
「正義というのは時に残酷なのです。だから覚悟しなければいけないのです」
「どういう意味だ泉」
蘭丸君が怪訝そうに私を見ていた。
空気が重い所為か、私が責苦を受けているように感じる。
「そのまんまの意味だよ。犠牲あってこその革命でしょう?それで?松風君は自分の所為で学校が潰れただとか責任感じてるみたいだけど…これからも暴走する?」
いや、暴走し続けるよね。
だってもう始まってしまったのだもの。
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