思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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私はそのまま部室を出た。

結論はカッコよくまとめているが、本音じゃない。

私の馬鹿正直過ぎる所は最近自重する事がなかなか出来なくなっていた。

去年までは口にする事無く完璧に心の中までで留めておけたんだが。

ああっ、もやもやする。

神父様がその辺に落ちてれば懺悔したい。

神父様落ちてる様な人じゃないけど。

河川敷の方に歩いていけば、グラウンドで、松風君とイシドさんが話していた。

電話の必要はなくなったようだ。

一応敵同士なのにのこのこ顔を出して来たイシドさんがどういうつもりかは分からない。

こっそり見てこようかな。

そう思って目立たなそうな所(別に隠れるとかじゃないよ。ほら、話の邪魔をする様なのはしたくないからね)を探していれば全校でたった一人の紫色の制服が見えた。

あれ、剣城君だ。

私は足音を立てないように剣城君の背後から近づいた。

そしてグワッっと効果音がつく様な勢いで剣城君の肩を掴んでみた。

ビクッっと肩が震え、バッと首がこちらに向いた。

黄色の双眸は見開かれていて、驚いているのは明らかだった。

「びっくりした?」

「なんでいるんだよ」

「私鬼神出没なの」

「そうかよ」

私の神出鬼没発言に対してはまったく興味がない様だ。

「なんかこれストーカーチックだよね。放っておけなんて言っておきながら様子見なんてさ…そんなに松風君が心配?浮気者ー私の心配もしやがれーさっき部室で変な事言っちゃったから絶対嫌われてるよ!」

冗談7割でからかえば不満そうに眉を寄せた剣城君。

「ストーカーはアンタだろ。それにあとは自業自得だ」

「…うん、まぁあんまり否定できないんだけどね!」

あと嫌われてるのは最初からだったって今更ながら気付いたわ。

剣城君とか普通に私に話しかけたりするから嫌われ者の自覚なくなってたわ。

うわー怖いな習慣って。

松風君とイシドさんの話は済んだ様で、去っていくイシドさんを剣城君が追う。

「ちょ、待ってよ」

それを私が更に追う。

赤いスポーツカー、そこに背を預けて立っていた女子高生。

彼女の車、には見えなかった。

まさかイシドさんの彼女!?

確かにイシドさんイケメンだけど彼女いたのか…そうか、見た感じ年の差があるように見えるのだが…。

イシドさんは少女趣味なのか、ロリコンなのか。

だから私を露出狂から助けてくれたのか、なんていいロリコン。

「豪炎寺修也だ。円堂監督の親友であり…、」

なんて剣城君が話出すもんだから驚いた。

え、円堂監督の親友だったの?

マジか、サッカーやってる人って大体円堂監督の友人な気がするのは気のせいかな?

「そうか、だからどうした」

「俺からお願いがあります」

そこで剣城君がちらっと私を見た。

なんだ、そんなに見つめられると照れちゃうわ。

「そんな見つめちゃいやん」

そんな事を言えば何言ってんだコイツ頭ヤバイ、病院行った方がいいんじゃないか?みたいな絶対零度の視線が突き刺さったので反省したい。

「おおふぅ、席をはずせって事だね、分かったよ」

私は小さく息を吐いた。

そしてイシドさんを見て言う。

「後で電話しますから」

電話すると言う私の言葉に剣城君は驚いた顔をした。

そうだよね、あの時携帯は破壊したんだもんね、しかも剣城君の手によって。

だから交流がある事に驚いたんだと思う。






松風君のストーカーのストーカーをストーカー


(あれ、おかしいな。)

(なんだか松風君の追っかけがいっぱいいるみたい。)



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