思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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本日も私はマネージャー業に励みます。
励むっていうとなんかまるで私がなんか特訓しているみたいだ。
新雲学園との試合を控える中。
私は今まで彼らを別の人種として見てきた。
これからは私も彼らと同じ、その別の人種となってしまうのだ…。
リア充。
好きなのかどうか分んなくたって年齢=恋人いない歴だった私の歴史に終止符が打てて、恋人ができたんだ。
喜ばない筈がない。
舞い上がり過ぎて交通事故に遭いそうだ。
そんくらい嬉しい。
…リア充って何すんだ。
手繋いだり、ちゅっちゅするのがリア充なのか。
デート…?
病院内デートか、そうか。
ダメだ、全く分からん。
取り敢えず今晩から特訓しなきゃいけないかも。
「泉」
「何、蘭丸君?」
「最近トリートメント変えたか?」
トリートメント…?
最近変えた覚えもないし、ヘアパックを始めた訳でもない。
「ううん、変えてないけどどうして?」
「いや、その、最近髪の艶がよくなったなって思って」
艶が良くなった?
「マジか。…睡眠時間が増えた訳でもないし、ストレスが減ったとか…?」
ストレス、うん、ストレス減ってるし。
呼び出しとか変なメールとかなくなったもんね。
それに私、リア充だし。
ああああ彼氏ができたと言いふらしたい。
それくらい幸せ。
「なんか最近変わったな」
はい、リア充ですからキリィッなんて言えない。
言ったら拓人君に話しが回り、聞き耳立てていた狩屋君から一年全体や、部活全体に回り、つまりはそこから剣城君に行きつくに違いない。
それは困る。
私が態々ゆっちーに口止めした意味がなくなる。
「そうかな…?」
ここはなんとしても誤魔化さなければ。
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