思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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なにしろ経験不足過ぎて共感以前の問題だった。
今なら感覚的に思える。
異性をエロイ目で見るってことですね。
だが、私にいきなりキスはハードルが高過ぎると思う。
興味はあるけど、あるけれども…。
どんな感触で、どんな味がするのかとか、気持ちいいのかとか。
正直言うと唇くっつけて何が解決するのか、或いは生まれるのかは私にとって不思議で、未知の領域だ。
確かに唾液の交換によって免疫力向上なんてものは聞いた事あるが。
別にキスすると妊娠しちゃうだとか純情過ぎる天然装うつもりはないんで心配事は特にないんですがね。
ギャグ的な意味で触るな、妊娠するみたいな事は言ってみたい。
「キス、しよっか」
「はっ、はい!」
どんだけはりきってる返事なのよ、私。
「緊張してる?」
「そりゃあ初体験ですから」
実を言うとキスは初体験じゃないらしい。
小さい頃お父さんとキスしたらしい(勿論本人曰く唇らしい)が、全然記憶にない、記憶にあるのは幼稚園の時ほっぺにしたのだけだ。
真っ赤になって照れていたお父さんの顔は今でも印象に残っている。
ほっぺで真っ赤になるのだから、唇だったらの想像が出来ない。
取り合えず、小さい頃のキスはキスに含まれないでいいと思う。
「そっか、じゃあ、」
私はキスの為に身構えた。
だが、ゆっちーの唇は訪れず、代わりにハグだ。
「あれ?キスしないんですか?」
「今はいいかなって…」
「そうですか…」
期待していたので、がっかりしていて、それでいて、どこか安心していた。
私はゆっちーのベッドの上に乗った。
勿論靴は脱ぐ。
「何してるの?」
「襲おうとしてる訳じゃないですからねっ!ただちょっと添い寝を…」
「ならもう少しこっちに来ないと落ちるよ」
ゆっちーのベッド暖かい…っていうかもう季節的にそろそろ暑くなってきましたね。
病院いつも適温目指してるから温度ちょうどいいんですけど、普通の設備整ってない所だとめちゃくちゃ暑そうだ。
「これ恋人っぽくていいですね。特に何もしてないですけど…」
もっと添い寝彼女
(リア充かぁ…って呟いているゆっちーに、私たちの事ですよ…ポッって言いたい。)
(箱入り娘ならず、箱入り息子なんですね。)
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