思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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私がサッカー部と交流を深めれば深める程に、彼らの私に対する遠慮というものがなくなってくる。
それを仲良くなっている証拠だとポジティブに考えるのもいいが、ネガティブに軽視されていると判断していいような気がしてならないのが本音だ。
それなりに距離を保ちつつ、いい先輩であろうとしてくれる三国先輩や天城先輩はとても素敵なのだが。
問題は同学年以降にいる。
何故嫌われているか全く見当がつかないわけではないが倉間君は私を嫌っている。
背の小ささを器の大きさに比喩して言った事をそんなにも気にしていたのだろうか。
いや、違う、私が去年態度だけはLサイズって言ったのをまだ気にしているんだ。
だからちっせぇ男だと言われてしまうんだきっと。
倉間君は最低限の関わりしかないからいいんだ。
問題は一年生だ。
剣城君との少し皮肉っぽい言い合いやなんかはただのツンデレのコミュニケーションの一つに過ぎない。
可愛いもんだ。
狩屋君のも似たようなものだ。
どちらかというと私に似ている部分があるかもしれない。
自分の嫌なところを見てもらってから本気で信じてもらおうとしているに違いない、そうじゃないと私が辛い。
こんな安っぽい男じゃないと私は狩屋君を信じよう。
ちょっと前まで蘭丸君にちょっかい出していたのに今度は私だ。
どうでもいい人間に嫌われるのは別にかまわないのだが、関わりのある人間に嫌われるのは勘弁してほしいものだ。
礼儀知らずのクソガキめ…おっと失礼、口が悪かった。
ガキじゃないんだから仲良くやろうよなんて言ってもきっと無駄だ。
「君は少し謙虚な心を持ち合わせた方がいいかもね」
「そんなんじゃ彼氏できませんよ」
狩屋君の見下したような言い方。
いや、絶対私の事見下している、バカにしているに違いない。
流石に私もカチンときた。
今までバカにしてくるのが同学年子とか、先輩だったし…まぁ、基本女子だったが。
二年生になってから私は自重だとかそう言うのをやめて結構素で行動してしまう事とかあった。
我慢する事をだいぶやめたので、少々憤る事が増えたと思う。
これでロボット卒業という事かな。
もうアンドロイドだとか、ターミネーターだとかロボコップだとか、ロボジィとかいわせねぇーぞ。
いや、女子にバカにされんのはいいけど、男子にバカにされるとイラっとくるのかもしれない。
というか私年下ともめ事多いな。
主に剣城君だが。
どうやら私下睫毛属性と少々抗争する傾向があるみたいだ。
「彼氏いるもん」
「…えぇ〜っ!?」
サッカー部の声が叫びとなって重なる。
主に松風君と西園君だが。
剣城君は目を見開いている。
「あ、」
ヤバイ、これは言う予定じゃなかった。
やらかしたな私。
つい口が滑った。
自己顕示欲自重しろよまったく。
ゆっちーに口止めした意味がなくなるじゃないか。
自爆してどうする。
自白剤いらないね!なんて冗談が言える程いい訳は容易くない。
「やっぱ剣城!?」
一斉に剣城君を見る。
剣城君ではない方の剣城だけどね。
ゆっちーだけどね。
半分は当たっているものだからもうドキドキだ。
ドキドキで壊れそうだ。
「え、いや、ゴメン、嘘。カチンときたからちょっと見栄張ってみただけ」
しゅんとして誤魔化す。
これで騙されてくれればいいと思う。
なんだよとか妙にテンションが下がった。
というか、なんでそんなに反応がいいんだ君達。
やっぱ青春なのか。