思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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思春期なのか。

そしてそれぞれが練習に取りかかる。

「あんた、嘘下手だな」

嘘、という単語につい反応してしまう。

「私がいつ嘘吐いたって?」

私は眉をひそめたがそんなのは相手に見えないだろう。

というのか剣城君は練習に参加しなくていいのか?

私なんかにちょっかい出すより、絶対充実した時間が過ごせるだろうに、勿体無い。

「あんた、嘘吐く時下唇噛む癖があるだろ」

下唇を噛む…?

「なにそれ知らないんだけど」

「いつからだ」

「はい?」

なんだ急に。

主語は何処行った、主語がカッコからログアウトしてるぞ剣城君。

私の質問に近い切り返しについてなんも触れないのね。

ちょっとくらい構ってくれてもいいと思うんだけど…。

「いつから兄さんと付き合ってるんだ」

うわーうわー!!

何故知っている。

「な、なんで知ってるんだ、いつから!?ゆっちーに言わないでって言ったのに!」

くそう、チクリか、いちいち報告しちゃうのか。

どんな事でも身内にならペラペラ話しますよなのか。

チクリータなのか!

「付き合ってるのか」

あ、え?何?

まさか、もしかしてアレなのか…?

探り入れたのか。

かまかけたのか。

「私墓穴掘った?」

「そうだな」

ああああ、やらかした。

最近やらかしてばっかだわ。

「で、いつからなんだ」

恐ろしくて剣城君に顔向けできない。

「げ、幻影学園との試合から…」

「そうか」

剣城君はそれだけ言うと私に背を向けて練習を再開してしまった。

あ、え、それだけ?

殴ったりしないのか、よかった。

…途中で私狙いでボールが飛んできたりね!






自白剤要らず


(自らバラしてしまうとは…。)

(まさに私がチクリータ。)



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