思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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私がサッカー部に入部するという行為は周りの女子からの反感を買う行動だ。
それは鬼道監督に誘われた時からある程度予測できた事だ。
何しろサッカー部が本当のサッカーを取り戻す事がかなり現実的になっているからだ。
周りから見れば後から入った邪魔ものだとか、都合のいい女だとか、ミーハー目的だとか思われているだろう。
だが私はそんじょそこらのミーハーと違ってキャーキャー叫んだりしない。
例え露出狂に遭っても、男子の生着替え見たってそうはならない。
私はミーハーじゃなくてストーカーだ。
たいしてない胸を張って言ってやろう、私はミーハーじゃない、ストーカーだ。
私は今私を閉じ込めた例の3人の女子に壁に追い詰められていた。
正直追い詰められるならもっとロマンスが欲しかったかな、なんて贅沢は言えない。
「ブスの癖に生意気なんだよっ」
ガッっと彼女は壁を蹴った。
凄く驚いた。
足は痛くないのだろうか、何しろ蹴ったのは硬いコンクリートの壁だ。
それよりも気になるのは短いスカートの所為か、パンツ見えてる。
気付いているのかどうか考えると、多分気付いてない。
私は最近の子は皆スカートの下に見えパン履いているといると思い込んでいたので生パンには驚いた。
たまに男子が履くガラパンというやつを履いている子がいるが、パンツオンパンツと言うのはいか程か…。
正直それを見せびらかしている女子を見た時は引いた。
勿論見ちゃって申し訳ない気持ちにもなったが、やっぱり引いた。
世の中にはいろんな変態がいると知った瞬間だった。
今目の前にいる彼女に対する気持ちとして、見ちゃってゴメンなんて思ってはいるが、口に出す気には到底なれなかった。
彼女は壁から足を退けた。
壁には彼女の茶色い足跡が残っていた。
「ちやほやされて嬉しい?」
そうですね、私人気者ですから。
勿論それは皮肉的な意味でイケてる女子に囲まれている事を言っているんですがね。
ここ、笑う所ですよ。
「サッカー部にいる私が羨ましいですか?」
だいたい鬼道監督も鬼道監督だ。
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