思い出した、人類は皆平等だった
□思い出した、人類は皆平等だった
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私は剣城君が好きだ。
…多分。
いや、ゆっちーが言うには私は最初から剣城君が好きだったぽいです。
う〜ん、よく分らん。
でもゆっちーとのお付き合いは何と言うか、お試しのお付き合いみたいな。
娼婦検索エンジンみたいな感じ。
まさにGFE(ガール・フレンド・エクスペリエンス)ならず、BFE(ボーイ・フレンド・エクスペリエンス)だ。
デートを体験したいってやつだ。
お金は払わないけど。
ゆっちーはこうなることが最初から分かっていたのだろうか。
確かに最初から剣城君の事は気になってたよ?
二次元から飛び出して来たような風貌とかすんごい気になるし。
まぁ、聞こえを良くすると第一印象から決めてました的な。
悪く言うと見た目で一目惚れだったのかもしれない。
不良でSで強気で口悪い、態度デカイ、ついでにツンデレでブラコンときた。
色白だし、声もセクシーだし。
いや、セクシーと言ったら南沢先輩の方がエロいんですけどね!
だけどエロいだけじゃだめなんだ!!
ゆっちーのように露骨なエロさではなく優しさプラスエロさってのがいいんだよね、うん。
口元のホクロとかマジセクシー。
話それた…私の悪い癖だ。
最近では剣城君がちょっと不器用だとか、ちょっと初心だとか、根が真面目だって事も知った。
何より私は剣城君に憧れを抱いている。
人間ひとりじゃ生きていけない。
なのにひとりで生きようと強がる姿は何ともいじらしくてかわいい。
構いたくなる。
他者を求めない剣城君と、他者を求める私。
私が彼に惹かれるのは必然的であった。
それに気付かないフリしてきたのも事実。
例え嫌われててもいい、私は傍に居たい。
それではダメなのだろうか。
ダメだよね、うん。
だってそれってストーカーと何ら変わりないからね。
ストーカーギリギリだって分かってる。
それに私殺されそうだし。
でもなんだかんだ言っても私に付き合ってくれている。
見込みがないと分かっていても、気付くと期待している。
期待なんて...とか思っていても、期待しているんだ。
言葉の少ない彼だからこそ、私は安心できる。
他者を求めない彼だからこそ、程良い距離を保ちながらいられる。
そして友達のいない(これは単なる私の先入観で、サッカー部以外の友達なんていないんじゃないかな、なんて)彼だからこそ、思いきった話ができる。
例え愚痴をこぼしても、それを本人に告げ口したりはしない(と、思う)。
全てはただ、自分が傷付きたくないだけ。
ただ私が悲しくならないように利用しているだけなのかもしれない。
これが好きという感情なの?
わけがわからないよ、ゆっちー。
やっぱパーソナリティー障害かな。
あーあ、私は年上好きのはずなのに…。
まさか年下を好きになるなんて…マジありえん。
年上は単なる支配的の象徴だったのか…?
彼は私の人生のインストラクター
(これは好意なのか。)
(それとも依存し、利用したいだけなのか。)
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