思い出した、人類は皆平等だった

□思い出した、人類は皆平等だった
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「兄さんと別れたんだって?」

なんで知っている。

まさかゆっちーバラしたのか!?

くっ…!

先に口封じしておけばよかった。

偽装期限が牛乳の様に短すぎる!

「…う、うん」

ヤバイ、ヤバイよ、私殺される…!

兄さんを汚しやがってクソヤローとか暴言吐かれて殺されるんだ…!

ジ・エンド・オブ・私。

短い人生だった。

冷や汗が出る。

暖かい気候の割には手は冷えてる。

緊張してる。

「兄さんの事、どう思ってる」

「す、好きだよ。今でも好き。本気だった。本気で好きだった」

それに嘘偽りはない。

でも好きの度合いが過ぎて、家族として見るようになったんだと思う。

「じゃあなんで、」

「私が好きなのは、剣城君だから」

「…兄さんには好きな人と一緒にいて欲しかった。例え同じ人を好きになっても…俺は兄さんの為に身を引く気だったのに…」

え…?

「兄さんに言われた。遠慮はするなって…だから、」

風がサァッと吹き、髪を浚って行く。

「あんたは俺がもらう」

横暴で俺様チックで強引。

剣城君らしい。

私の答えは決まってるけど、なんて言って表現したらいいか分らない。

映画でよく見る女性は感激している時は大抵こう言う。

「…なんて言ったら…」

「イエスでいいんじゃないか」

それだったら分かりやすい。

「いえす。もらってやって下さい」

一歩、一歩剣城君に近付く。

そして私は剣城君を見上げた。

「ゆっちーの二の舞にならないように度の過ぎた愛情は控えなきゃね」

「二の舞でいいんじゃないか」

「え?なに?どういうこと?…まさか…結婚しちゃう?」

「そのうち、な」

頬に朱を滲ませる剣城君。

キザだ、チャラ男だ。

キザなセリフ言われると恥ずかしいわ。

何だこれ、なんていうか…お腹が疼いて、そこばゆい。

マジ今すぐ叫びたいわ。

これが世界の中心で愛を叫ぶ現象か。

世界の中心っていうより、最早自分中心だし。

今の告白93点!

ああ…、

「マジ俺の嫁だわっ…!」

可愛い、滅茶苦茶可愛い。

「嫁って、普通逆だろ」

「じゃあ頑張って婿になれ。でも苗字は剣城がいい…」

そういえば正面校舎前の木の下で告白すると成功するって聞いたけどまさかね…なんて。

正面校舎前に木はたくさん生えてるわ!






とある萌えオタの恋愛内申書


(これからよろしくね、俺の嫁!)

(嫁って言うな!)




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