不浄の華は絶闇で毒を孕む
□不浄の華は絶闇で毒を孕む
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帝国との試合が終わり、俺はますます豪炎寺修也という存在が欲しくなった。
だが露骨にそれを伝えれば彼は俺を拒むだろう。
彼はそういう奴だ。
「円堂、話がある」
豪炎寺は唐突に話しかけて来た。
「わかった」
俺はいつものオレを演じ、明るく言う。
放課後の校舎裏。
「話ってのはなんだ?告白とかか?」
俺は冷やかし交じりに口元に笑みを湛え、言う。
仮面など意味もない。
「俺、仲間になるよ」
たった一言だった。
彼なりに考えて結果は、同じ復讐者になる事だった。
俺の思った通りに彼は俺と同じ道を選んだ。
俺はにやり、と口角が上がるのを感じた。
「妹の為か」
「いや、俺の為だ」
意外な返答に、彼自身の欲望の為だという返答には驚いた。
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