不浄の華は絶闇で毒を孕む
□不浄の華は絶闇で毒を孕む
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「久しぶりじゃな、小僧」
キャップ帽を被っていた老人が言う。
「いや...守」
老人はキャップ帽を外した。
何処か懐かしさを感じた。
そして彼が大介さんだと直ぐに気付いた。
いや、確信した。
薄々気付いていた。
初めて会ったあの時から。
取り乱して尚、人違いだった時が嫌だったから何も言わなかった。
俺の予想通り俺は取り乱した。
「なんで生きてるんだよっ!」
俺はもういつものオレらしくはなかった。
「なんで、なんでっ...、死んでいてくれれば俺は、影山に復讐して...、」
「それでどうなる?満足か?」
「...ああ、俺はそれで満足だった。復讐さえ出来ればそれで良かったんだよ!!」
「影山には悪い事をしたな...」
ポツリと彼は言う。
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