不浄の華は絶闇で毒を孕む

□不浄の華は絶闇で毒を孕む
3ページ/3ページ









「影山にはワシを殺したと濡れ衣を被って貰っていた。それに、ガルシルドの所にスパイとして潜って貰っていた」



影山がスパイ...?



そんな馬鹿な事...、



「影山はガルシルドにスパイだと気付かれ、死んだ」



彼は少し寂しそうな、悲しそうな顔をした。



なら俺の今までの苦労は、努力は、計画は、なんだったんだ。



頼むから、無駄だったとは言わないでくれ。



「すまない、ワシの所為で辛い思いをさせてしまって...」



彼の言葉は全ては無駄だった、と言われる様なものだった。



「死んでいてくれれば良かったのに...」



「守、」



「やめろっ!俺を呼ぶな!」



俺は一目散に踵を返し、走りだした。



今の俺はもう...、








壊れた世界で真を求めた



(こんな事、望んではいなかった。)


(死んでくれていれば良かったのに 、)


(影山をひたすら憎んでいた時に戻りたい。)








.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ