不浄の華は絶闇で毒を孕む

□不浄の華は絶闇で毒を孕む
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「俺も舐められたものだな」



「手加減はいらない、本気で来い」



「ファイアトルネード!!」



炎を纏ったバールが一直線に円堂に向かう。



円堂はそれを易々と受け止めた。



それも片手でだ。



豪炎寺はまさか片手で受け止められるとは思っていなかった。



実力にこんなにも差が出るなんて...、思いもしなかった。



俺は、円堂に追いつけるのだろうか?



豪炎寺は一瞬にして実力差を知り、円堂には勝てないと改めて思った。



「初めてか?」



円堂はまるで生娘に問うかのように豪炎寺に問う。



「片手で受け止められるのは」



円堂はそう言葉を付け加え、頬には笑みを湛えていた。



再び豪炎寺の方にボールを軽く投げてやる。



「予想の範囲内だ」



実力がか、受け止められた時の反応がか。



どちらかは豪炎寺には判断出来ないでいた。



或いは両方かもしれない。







赤く揺れる幼き瞳



(炎の揺らめきか、)


(それとも...?)








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