少女XX
□少女XX
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「それにしても...汚いな。」
レーゼはちらりと少女を見ながら言った。
その言葉に少女の頭に付いている獣耳がピクリと動く。
どうやら付け耳ではなく本物らしい。
少女はキョトンとした様子でレーゼを見た。
レーゼは自室に向かった。
浴室の大きさはエイリア学園の生徒に合わせているため、かなりの広さがある。
男女の浴室は壁一枚でつながっており、大声を出せば隣まで聞こえる。
それに加えキャプテンには自室にシャワーが付いている。
それから大人は大人で別の浴室がある。
エイリア学園はそれなりに設備が整っていた。
少女はキャプテンの自室に備え付けられているシャワー室に連れられた。
「入れ。」
短い言葉と背中を押され、脱衣所に入る。
少女はキョロキョロと周りを見回し、レーゼを見た。
その少女の視線を早く出て行って欲しいと受け取り、脱衣所を出て行った。
しかしレーゼが脱衣場から出ても一向に浴室からシャワーの音はしない。
あと5分だけ待とうと待っていれば20分経っていた。
なのにシャワーの音は一向にしない。
失礼なのを承知で、一言入室する事いい、脱衣場に入る。
少女は入って来たレーゼを20分前と変わらない姿で見ていた。
そしてやっと気付いた。
少女が無知なことを。
少女の知識が新生児と同じ事を。
レーゼは溜め息を一つ吐くと浴室に入った。
一通り触らせたりして説明していく。
言葉なんて説明にしてはかなり少ないのだが。
それでも多少なりは理解したと思う。
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