少女XX

□少女XX
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「どうやってここに来た?」


レーゼはまだ教えてもいないこの場所への手段を聞いた。


返事をあまり期待していなかったが意外にも返ってきた。


『心音を、追って...。』


そんなことが可能なのだろうか?


だが猫の耳が人間の40倍から50倍耳がいいと言われるからだと無理矢理納得する。


だがこうも早く受け答えが出来るようになっていると言葉が話せなかったなんて思えない。


改めて言葉とは便利だと知る。


「エミリー、お前の能力はなるべく他人に見せるな。」


『どうして?』


エミリーはこてんと首を傾げた。


エミリーは1日で人間のコミュニケーションと歴史を学び地球を回った。


丁度人間の栄光や英雄を学んだ。


『アンインシュタインやリンカーン、ジョージワシントンは英雄だよ?能力があるなら使った方がいいに決まってる。』


「確かにお前は特別だ。だが無知故に他の奴らが利用しようとするに違いない。」


『私は無知じゃない。』


エミリーは少しムキになった。


認められたいが為に学んだ。


なのにこれでは数時間前と変わらない。


なんの意味もない。


「無知だ。人を疑ったりしないだろ。経験が足りないのだ。」


言われてみれば私にとって経験...つまりそれをしたという根本的な証拠である記憶がない。


私の記憶はどうなっている?


人間の成長過程については既に学んだ。


だが私の頭についてるこの耳は間違いなく人間の物ではないし、この尻尾だって...。


『私、は...どうすればいい?』


悩ましげにエメラルドの双眸が見上げてくる。


「全て疑え、俺意外を信用するな。俺だけには常に正直でいろ。」


黒真珠の双眸がエミリーを見下ろしていた。


『分かった。』


分かったとエミリーは言ったが本当に理解しているか定かではないが、少なくとも事の重大さには気付いていない。







情けない独占欲



(誰にも渡さない。)


(渡して堪るか。)








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