少女XX

□少女XX
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ガゼルはエミリーに着替えさせようと自室に連れ戻った。


仕方ないのでエミリーには動きやすい服装に着替えてもらおうと思い、タンスからスペアのユニフォームを取り出した。


ダイアモンドダストのユニフォームをエミリーに渡そうとエミリーを見れば、エミリーは着ていたワンピースを脱いでいて。


目についた下着に唖然とした。


エミリーは叫ぶ訳でもなく、恥ずかしがる訳でもなく、また怒る訳でもなく、泣く訳でもなく。


ただエミリーは不思議そうに首を傾げるだけだった。


異性に下着姿を見られた年頃の娘とは思えない態度だった。


その事は下着が見えたと言った時の反応で分かる。


エミリーに羞恥心と言うものはないのだろうか。


ガゼルはすぐに顔を反らした。


「服を着ろ」


腕を伸ばし、エミリーにユニフォームを突き出す。


自分の手からユニフォームが離れていくのを感じた。


内太腿にはやはり黒い模様だか何だか知らないが刺青みたいな物があったのを見た。


「エミリーはどこから来た?」


ガゼルは疑問に思った事を聞いた。


元々ここにいるのはおひさま園の子供達だ。


その中にエミリーがいた記憶などない。


ならエミリーはどこから来たのか。


出生が気になった。


人間のものとは思えない耳と尻尾は何だ。


風や振動関係なく揺れ動くそれは神経が通っているのだろう。


「私、は...、」


エミリーが最初の記憶を辿ればあの一戸建ての小屋の中だった。


灰色の埃の溜まった床。


それ以前は存在しない。


記憶がなかった。






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