少女XX

□少女XX
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睡眠とはなんだろうか。


日没後に何もしない。


考えることも何もない。


時々音や変な声を発する。


一晩中横になるなんて...学ぶべき事がたくさんあるのに。


エミリーは夜中にこっそりと部屋を抜け出し図書室に来た。


また本を読み漁る。


夜明けが近付けばエミリーは図書室を出て部屋に戻る。


その繰り返し。


エミリーはついには図書室の本を全て読破した。


そして眠れない夜が続く。


誰かが起きる頃にはエミリーはいつも起きていた。


寝ていないのだから起きる事もないのだが。


「エミリーはいつ寝ている?」


レーゼた唐突に問う。


『私は眠ってないよ』


「ずっとか?」


「ずっと。ガゼルは不安があるか疲れてないからだって」


ガゼル、と親しげに出てきた名前に驚いた。


まさか自分がいない間にそんな仲になっていたとは。


レーゼは急に不安になった。


エミリーを手放したいと思わなかった。


「サッカーするか?エミリー」


レーゼの誘いによりサッカーを続けること数時間。


「エミリー、疲れたか」


エミリーはやっと疲労の色を見せ始めた。


この調子ならきっと眠らせる事が出来るに違いないと。


「レーゼ、なんか体が重たいよ」


「それが疲労だ、エミリー。眠いか?」


エミリーはただ分からないと答えた。


実を言うとレーゼ自身の方が疲労していたりする。


エミリーはまだ余裕そうだ。


先に音をあげたのはレーゼの方で。


「大丈夫?」


エミリーはレーゼに手を差し出して聞いた。


「大丈夫、だ」


息切れしながら言われてもあまり説得力がなかったがエミリーはレーゼの言葉などあまり聞かずにいた。


その夜エミリーはレーゼの部屋に忍び込み、同じベッドに潜り込んだ。


客観的に見れば所謂夜這いという奴だ。


エミリーはレーゼの心音に安心したのかそのまま眠りについた。


やっと眠れたのだ。








宇宙人は大変なものを拾って来てしまいした



(彼女こそ、)


(宇宙人。)








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