少女XX
□少女XX
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突然電力が落ち停電した。
視界はほぼゼロ。
お互いの輪郭すら見えるか怪しい。
外の光を取り入れないこの施設は夜同様に暗かった。
そんな混乱状態の中でもエミリーには全てが見えていた。
「レーゼ、大丈夫?」
「大丈夫だ」
エミリーはその返事を聞くと移動し始めた。
「何処に行く、エミリー」
足音で気付いたレーゼが問う。
「直してくる」
「なら一緒に行く」
レーゼは危うい足取りで歩き出した。
「見えないのに?」
エミリーは怪訝そうに言う。
「お互い様だろう?」
「私は見えてるよ。視力増強してるから」
ここまでくるともう驚きやしない。
「視力増強?もう何でもありだな」
呆れたような...諦めたような返答。
「危ないから手、繋ご?」
エミリーはレーゼの右手を掴み歩き出した。
暗闇に馴れてたかと思った矢先に予備電力に切り替わった。
急な光に眩しくて目を瞑る。
目が使えるようになった。
だからと言って問題が解決したとは言えず、予備電力もどのくらいもつか分からない。
視覚が使えてるのに何故だか手を離そうとは思えなかった。
問題の部屋に着いたものの、パスワードが必要だった。
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