少女XX
□少女XX
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エイリア学園に戻れば真っ先にレーゼに問い詰められた。
腕を痛いほどに強く掴まれた。
「痛い」
エミリーは身動ぎ、言う。
「どうやった?」
レーゼはエミリーの言葉などあまり聞いてない様子だ。
「原子出力量を操作した」
一言に原子出力量と言われても意味なんて分からない。
理解できない事を言われると分かっていた。
これまでもずっと理解できない事なんて沢山あった。
それでも聞いたのはそれなりの言い訳は聞いてやろうと思ったからで、聞いても聞かなくても大差はない。
「二度とするな」
「どうして?ルールブックには書いてなかったのに」
エミリーは痛みに顔を歪ませながらレーゼに問う。
「書いてあるはずがない。あんな事エミリー以外は出来ないからだ!」
「どうして私は出来るの?」
エミリーの質問にレーゼはイライラした様子で強く言った。
「特別だからだ」
エミリーにはレーゼの考えていることが分からない。
「いつもレーゼはそういう。どうして説明してくれないの?私には説明なしに命令して、私の行動の説明を一々聞いて...、ねぇどうしてっ!?」
エミリーが叫ぶと同時にレーゼが後方に吹っ飛ぶ。
感情的になりすぎていた。
自分の能力をコントロールできなかった。
冷たいコンクリートに打ち付けられた身体は重力に従い、地面に落ちる。
「レーゼ!」
自分ですら驚いてしまう。
エミリーはレーゼの傍に駆け寄り、手を伸ばしかけたが、途中で傷付けるのが怖くなって触れる事を躊躇った。
触れる事無く容態を診たが、別状はないようだ。
良かった。
「エミリーの方がずっと宇宙人らしいな。」
レーゼは皮肉げに言い、立ち上がった。
エミリーはレーゼの言葉の意味など分かっていなかった。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい...、」
エミリーは謝罪の言葉を繰り返した。
レーゼはそれを見て、なんとも形容しがたい表情をした。
「エミリー、」
「ごめんなさい、」
レーゼが続きを言う前にエミリーはレーゼの前から去った。
謝って許されても、信用はしてくれないと知る
(謝って済むなら警察はいらないって、)
(こういう事なんだね。)
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