少女XX
□少女XX
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気に食わないが不動をイナズマキャラバンに乗せて不動の案内のままにキャラバンが移動する。
それが不動の思い通りになっていると思えてどうも不愉快だった。
辿り着いた先に広がるのは嫌な感じの暗い海だけ。
静かな黒い海面が急に浮き上がり、そこから現れたのは潜水艦。
黒いスーツ、ギラギラと野望を写す黒いサングラス。
「久しぶりだな」
影山のエイリア皇帝陛下の単語が妙に引っ掛かったが、エイリアと付くからにはエイリア学園となんらかの関係があるに違いない。
皇帝陛下と言うのは嫌味であり何らかの権威の象徴だろう。
「かつての仲間に会わせてやろう」
影山は冷たい壁の向こうへと消えた。
鬼道が走り出した。
それを円堂が追う。
その後に更に追いかけようとする雷門メンバーをぞろぞろと着いていくのは野暮だと不動が制止させる。
「アンタは別だぜ、エミリー」
そう言った不動がエミリーの手首を掴み歩き出した。
不動に案内された場所に行けば知らない人がいた。
「鬼道、自分の過ちに気付き再び私の前に跪いたかつての仲間を紹介しよう」
影山の紹介により現れた二つの影。
二人とも鬼道や円堂にとって見覚えのある顔。
佐久間と源田だ。
「ここからはかつての仲間同士再会を楽しんで貰おう」
影山はそこで言葉を区切った。
「お前がエミリーか」
その言動からエミリーは彼が卑怯の象徴である影山だと考えた。
鬼道に向けられていた野望を孕んだ瞳がこちらに向く。
「どうして私を呼んだの?私は貴方を知らないのに」
エミリーは影山を見上げた。
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