少女XX
□少女XX
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「痛みだけならなくせるから」
エミリーは染岡の足にそっと触れ、集中しだした。
まるで魔法のように染岡は痛みを感じなくなった。
「なん、だと...!?」
染岡は消えた痛みに驚き、足とエミリーを交互に見た。
「あまり調子に乗らない方がいいよ。貴方の足は治ったんじゃなくて、痛みを感じてないだけだから。痛みを感じないのも数時間程度。そのうちまた痛みだすよ」
これくらいしか、エミリーには出来ないから。
そうすることで罪滅ぼしをするしか知らないから。
鬼道はエミリーに言った。
「影山が言っていた。お前を作ったのは自分だと...それはどういう意味だ?」
エミリーはゆっくりと目線を上げた。
病院で思い出した記憶がエミリーの記憶なら納得が行くし、説明もできる。
だがそれを認める事は彼らを裏切る行為になるだろう。
そしてエミリー自身認めたくなどなかった。
事実など受け入れられない。
「確証はない。だけど多分、私は...影山が造った実験体」
エミリーは重い口調で言った。
「実験体...?」
信じがたい事実だ。
「完璧な人間を作る実験...プロジェクトX。私は実験データをコピーし、隠した」
次々に露になる真実。
「どこに?」
「私の頭の中。あの人が欲しいのはその実験データ。」
人造少女
(この世でたった一人少女だけが、)
(データを持っている。)
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