第一部:全ての始まり

□暗闇の襲撃者
1ページ/4ページ

─────

────
──

暗い…

ここは…

どこだ…


───
────

──────



スリーピーウッドと呼ばれる深い森の奥。

人どころかモンスターさえいない空間で、ハイルは目を覚ました。

ハイル「…ん…」

気付くと枯れ葉の上に仰向けになって倒れていた。

無事に下に着いたようだが、背中が痛むし腰の辺りが妙に重い。

骨は折れていないようだが、どうやら背中を打ったようだ。

だがあの高さから落ちて打撲だけですんだのはある意味盗賊の運の良さがあったからだろう。

そこまで思考を巡らせていると。

シュウ「んぁー、もう食えねぇよぉー。
……ん?
ここどこだ?」

シュウも目が覚めたようだ。

ハイル「何食ってたんだよ…」

シュウ「あ、何か言ってた?」

ハイル「いろいろと。」

シュウ「なんだよーぅ。いろいろってー
教えろよーぅ」

そう言って顔を覗き込んで来る。

シュウ「てかお前もさっさと起き上がれよ〜
いつまで寝てても送り迎えのタクシーは来ないぜー?」

ハイル「なんだよそれ…」

言い返しながらもとりあえず起き上がることにする。

だが体が持ち上がらない。

気付かないうちに大怪我でもしたかと思い、とりあえず首を持ち上げてみる。

そこでようやく体が起き上がらないのと、妙に重い訳が分かった。

シュウ「なんだよ首だけ起こしてー
もっとちゃんと起きろよ〜」

ハイル「お前…
そんなこと言う前に、そこをどけ。
お前のせいで起きれないんだからな!」

シュウはハイルのお腹の上に思いっきり座っていた。

シュウ「ありゃま、ホントだ!
わりぃ!」

ハイル「お前な…」

とにかく起き上がって周りを見回す。

やはり起き上がると背中が痛む。

荷物の中から薬を取り出して飲みながら、ふと思った事を聞いてみた。

ハイル「そういやお前はどつか怪我とかしてないのか?」

シュウ「へ?何が?
俺なら元気だけど?」

つまり。

先に落ちたハイルが背中を打った。

しかし後から落ちたシュウは無傷な上、ハイルの上で眠っていた。

ハイルの思考がそこまで辿り着いたところで考えるより先に手が出ていた。

シュウ「うわったった!
待て待て待て!
わざとじゃないから!
俺のせいじゃないって!」

ハイル「わかってるがとりあえず殴らせろ」

シュウ「理不尽〜っ!!」


最終的な状況を見るかぎりではある意味ハイルの運は悪いかもしれなかった。




こことはまた別の場所。

リュカ「んー…
ここは…」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ