ろけっと


□ろけっと time.3
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―ガチャ―





『………。』





寝てるやん…。





忠義、突っかかってごめんな…。


ほんまは、そんなん言いたくなかった。


もっと、素直になれたら、どんなにええか。





忠「……んッ…あい、いつ帰ってきたん?」


『今やで。』


忠「そうなん。知らんうちに寝てたわ。」


『待っててくれて…ありがとう。』


忠「なに、急に素直やね(笑)」


『もう言わんで。』


忠「ちょっ、何その傷。どうしたん?」





あたしは、忠義に言われて初めて自分が、肘を擦りむいてるのに気づいた。





『……転んだだけやで。』


忠「大丈夫なん?ちょっと待っててな。」





忠義は、部屋を出て行った。



数分して、忠義は救急箱と濡らしたタオルを持って戻ってきた。





『うちの救急箱の場所、よく解ったな。』


忠「何年ここに来てると思ってんねん。ほら、肘見せてや。」





忠義は、濡らしたタオルで血を拭った。


消毒液をかけ。

少し大きいカットバンを貼ってくれた。





忠「もう、18才やねんから気をつけて歩きーや。」


『……うん。ありがとう。』


忠「昔から、あいはお転婆やからね。」


『お転婆って今使う人おらんやろ?』


忠「そうなん?」


『(笑)』


忠「久しぶりに見た。あいの笑う顔。」


『そんなことないやん。あたし笑ってへん?』


忠「最近は全然見てへんかった。やから心配やってん。やけど、見れたからよかった。」


『………忠義。』


忠「もっと笑ってて。なんか、あいが笑ってへんと、全然楽しくないねんや。」


『………。』


忠「解った?」


『解った…。』


忠「ほんなら、俺帰るわ。」


『……忠義、帰らないで…。』


忠「……え?」








つづく
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