ろけっと


□ろけっと time.6
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―――放課後





亮「帰んで。」


『うん。山下くん、また明日なー。』


山「うん。バイバイ。」





あたしと亮ちゃんは、教室を出た。





内「あい、亮ちゃん。」


『博貴、マルたちは?』


内「ヤスは、委員会で。マルは日直やから、先帰ってって。」


亮「ほんなら、帰るか。」


内「あと…大倉は…。」


『先、帰ったんやろ?』


内「うん。」


亮「ええやん。」


『……ごめんな、博貴にまで気使わせて。』


内「そんなん気にしてへんって。」





あたしたちは、下駄箱て靴を履き替えてた。





『………。』


亮「あい、急に止まんなや。」





あたしの目に映ったのは、忠義とあの子やった。


壁に寄りかかり、あの子と話す忠義。


笑いながら、忠義の腕に触れたりしているあの子。




亮「……ほら、帰んで。」


『………。』





あたしは、動けなかった…。



ここから逃げ出したいのに、足が岩みたいに重くて動かない。





内「どうしたん?」


亮「……ほら、行くで。」


『………。』


亮「あい?」


『………。』


内「どうしたん?あい?」





博貴の声に、忠義が気づいた。





忠「……あい。」






こっちを見てる、忠義から目が離せない。





『………。』


亮「……あい、ほんまどうしたん?」





忠義が、あたしの方へ向かってきた。


あの子は、不思議そうに忠義の見ていた。





忠「どうしたん?」


内「わからんねん。」


亮「お前ええから、イチャついてろや。」





目の前におる、忠義を見上げた。



でも、亮ちゃんの言葉で忠義は戻っていこうとした。




あたしは…咄嗟に忠義の腕を掴んだ。






忠「……え?」


『……帰ろう。』


亮「……あい。」


忠「やけど…。」


『……あ、ごめん。』





あたしは、自分が何をしたいのか解らへんくなってた。



ただ、あの子の傍に戻って欲しくなかった。



あたしは、あの子に嫉妬していた。












つづく
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