ろけっと


□ろけっと time.18
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「大丈夫?怪我してへん?」


『うん…大丈夫やで…。』





あたしを、抱きしめた腕を緩めて、顔覗かせた。





「立てる?」


『……うん、ありがとう…ヤス。』


安「おらんって聞いて、びっくりしたんやで。」


『ごめんな…コテージに向かってるつもりやったんやけど…。忠義は?』


安「めっちゃ心配してる。はよ戻ろうと(笑)」


『うん。』





ヤスは、あたしの手を掴み歩き出した。



あたしは、やっとホッと出来た。



忠義やなかったけど、誰かに見つけてもらえたことが、嬉しかった。





安「……待ってな。えーと、俺こっちから来たから…こっちや。」


『ヤス…迷ったとかやないよね?』


安「……迷ってへんよ。大丈夫やって(笑)」


『ならええけど…。』


安「やっぱり、あっちや!!」


『ヤス、ほんまは解らんのやない?』


安「………俺、あいの声聞こえて、道ないとこ走ってきたから…。」


『………。』


安「夢中やってん…。」


『嬉しいんやけど…あたしら迷子やんな?』


安「ごめんな、やけど大丈夫やから。」


『ええよ、一人やないし。ヤスが一緒やったら怖くないもん(笑)』


安「ほんま?(笑)」


『まだ、明るいからゆっくり探そう(笑)』


安「ほんなら、あっち行ってみようや。」


『うん。』





あたしとヤスは、手を繋いだまま山道を、歩き出した。



さっきまでの、恐怖感はもう消え去っていた。



一人より、二人なら怖くない。








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