ろけっと
□ろけっと time.6
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―幼なじみやめよ…―
忠「……なに言うてるん?」
『もう…忠義と一緒おりたないねん。』
忠「なんで?キスしたから?やったら俺…謝るから…やからそんなん言うなや。」
忠義の顔は、明らかに悲しそうなで、うっすら目には涙が溜まってる。
『それだけやない。もう、忠義が……うざいねん。』
忠「………。」
『昨日みたいに、突然泊まるとか…暇やからあたしの部屋に入り浸るとか…ほんでお兄ちゃんにあーやって言い訳せなあかんし…もう…うざいねん。』
忠「………。」
『それに…ッ…それに…ヒック…。』
忠「もう…ええよ。わかったから…そんな嫌われてるなんて知らんかった…わかった。」
こんなこと、言いたなかった。
言うはずやなかった…。
でも、感情とは別にあたしの口はいうことを効いてくれなくなってた。
忠「俺たち、幼なじみやめよ…。」
自分が言ったことなのに、忠義から突きつけられたその言葉が、なによりあたしの胸に突き刺さった。
『……ほ、ほんなら…忠義…バイ…バイ。』
忠「……うん。」
あたしは、忠義に背を向けて歩き始めた。
もう、あの優しく微笑む笑顔も、暖かい手の温もりも、笑った大きな口も、寝ぼけた顔、間抜けなな寝顔も…。
あたしは見れない、
感じれない、触れられないんだ。
溢れ出る涙を、流したまま。
あたしは、歩き続けた。
もう、涙を拭ってくれない、忠義の悲しい視線を感じながら。
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