ろけっと
□ろけっと time.8
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―――屋上
山「マジで?」
『うん。』
山「じゃー、よろしく。」
山下くんから、差し出された手を、あたしは握った。
『よろしく。』
これでいいんだよね?
ずっと、忠義を想い続けても苦しいだけだから。
山「あいって呼んでいい?」
『ええよ。』
山「俺のことは…。」
『智久って呼ぶな。智くんの方がええかな?』
山「智久で。」
『智久…あたしのこと好きになってな…あたしも好きになるから。』
山「無理しなくていいよ。自然に任せよう。」
『ありがとう。』
智久は、優しく微笑んだ。
きっと自然に、智久を好きになれる。
この人なら、好きになれる。
山「教室、戻ろうか?」
あたしは、智久の手を掴んだ。
『もう少し…サボらへん?』
山「……うん、いいよ。あい、顔真っ赤(笑)」
『………。』
山「かわいい(笑)」
智久が、手を握り返してくれた。
それが、なんか暖かくてあたしは、ちょっと恥ずかしかった。
山「色々、話そっか?」
『うん。』
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