★Story★

□7月7日
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天気は雨。
「彦星様に逢えるかなあ…」
空を見上げて呟いた。


〜7月7日〜


今日は七夕。
年に1度彦星様と織姫様が逢える日。
年に1回しか逢えないなんて
あたしには耐えられない。
夫婦であるならなおさら。

「…つらすぎるよ…」


そんなことを考えていると後ろから急に抱きしめた。
「くろ…さきく、ん?」

さっきまで眠っていたはずの彼が近づき
「俺はずっと近くにいるからな。」
と優しい声で囁いた。

その言葉が嬉しくて
悲しくて泣きそうだったのに
今度は嬉しくて泣いてしまいそうになる。
そんなあたしに気付いた彼が
「だから…んな顔すんな。お前は俺の傍で笑ってろ。」
と、さらに強く抱きしめてくれた。
「うん!」

2人の顔が近づき
そしてそっと甘い口づけを交わした。


いつの間にか雨は止み、外は晴れていた。
まるで彦星様と織姫様の出逢いを促すかのように
空には綺麗な天の川が現れていた。


「織姫様と彦星様、これなら逢えそうだね。」
「だな。」


空を見上げ2人は願う。


黒崎くんと
井上と
―ずっと一緒にいられますように―



Fin.





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