★Story★

□心とココロ
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ねぇ黒崎くん。
あたしが彼女よりも先に「好き」って言っていたら黒崎くんはなんて答えてくれてた?
もしかしたら彼女のいる場所にあたしがいるかもしれなかったのかなぁ。

なんて考えたってもう遅い。


黒崎くんに彼女が出来ました…



〜心とココロ〜



「いった―い!」
「大丈夫かよ!ったくしょ―がねえなあ…」

黒崎くんが呆れながらも彼女を助ける。
だけどその顔は優しい。


黒崎くんの彼女はおっちょこちょいだ。
少し抜けているところがある。
たつきちゃん曰く
「あんたとよく似てるよ。」
だって。
そんなことないのに…

そもそもあたしと彼女じゃ
“黒崎くんに気持ちを伝える”ということに関して全く違うのに…

勇気を持って気持ちを伝え実った彼女と
実らなかったあたし。


彼を困らせると分かっていたのに
伝えてしまったこの気持ち。
彼からの返事なんて分かっていたのに。
だって彼が彼女のことを大切にしているのは誰が見たって分かるんだもん。



彼女よりも早く黒崎くんに気持ちを伝えられてたらよかったのに…

どうしてもっと早く言えなかったんだろう…

浮かぶ言葉は後悔ばかり…

―あの子が黒崎くんと付き合う前に戻らないかなぁ…

進んだ時間は戻らない。
戻ったところであたしが気持ちを伝えられるとも限らない。


黒崎くん。
好きって言ってごめんね。
困らせてごめんなさい。

少しでもあたしのことを考えて欲しかった…
わがままだよね…

―あなたへの想いを忘れられたらいいのに…

思ってもないことを口にする。
無理だって分かっているから。
あんなに想える人はもう現れないだろう。


――黒崎くん、好きです。



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