行雲流水
□出会ったのは、
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どうやら厄介な事になりそうだ。
もしかしたら、この少女の側にいたほうがいいかもしれない。異世界から来たというのを除いても、身寄りのない子供をたった一人で放っておくのは心配過ぎる。大人がいた方がいいだろう。
ロコンはそう結論付けて、ユウを真っ直ぐに見た。
ユウも先ほどまでとは違うロコンの瞳に気付き、真摯にしっかりと見返す。ついでになんとなくその場で正座した。
『俺をお前の手持ちにしろ。なんだかお前はいろいろと心配だ』
『あ、じゃあ俺も』
ガーディがロコンの隣に並ぶ。
『さっき攻撃したお詫びもかねて』
「別に気にしてないのに」
攻撃された理由が、納得できるものであったから。
それよりも。
「本当に二人とも僕の手持ちになってくれるの?」
後悔しても、知らないよ?
不安そうなユウの問いに、ロコンは呆れたように息を吐き、ガーディは楽しそうに笑った。
『お前を放っておいたほうが後悔しそうなんだよ』
『乗りかかった船みたいなところもあるからな』
「……そっかぁ」
ユウは、本当に本当に嬉しそうに笑った。
「じゃあ…、はじめまして、僕はユウです。これから、よろしくお願い、します」
自分の言葉に照れて、照れ隠しに深々と頭を下げる。
「二人の名前、考えさせてね。折角だし、ちゃんと良い名前つけるから」
『おう、よろしくな』
『別に有って困ることはないしな』
ガーディが嬉しそうに吼え、ロコンが少し照れくさそうにそっぽを向いた。