提出作品置場
□鏡の中の自分
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キミの瞳に映るもの全てが憎くて。
キミのきれいな瞳を見つめていたくて。
キミを捕まえた。
逃げないように手足に枷をつける。
「どうしてこんなことするの?前のツナは明るくて誰にでも優しかった。今のツナの瞳には光がないよ」
そう言って手鏡を突き出す。
そこに映る自分が憎くて、
手鏡を壊した。
キミの潤んだ瞳を見つめる。
そこに映る自分にすら嫉妬して、
キミの目を潰す。
次の日、キミは死んでいた。
舌を噛み切って。
床に落ちた鏡の破片は紅く染まり、
狂気に染まったオレを映していた。
笑顔が素敵だった
はもういない。
鏡の中の自分
(キミのいない世界は)(鏡のように虚ろだった)