提出作品置場

□白の花のサザンカは
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ジリリリリリリ!!!
ジリリリリリリ!!!

目覚まし時計が
鳴り響く。
薄暗い部屋の向こうから
人影がひっそりと、
音もなく現れた。

漆黒のスーツを纏い、
どこか遠くを見つめる
彼女の名は
ラル・ミルチ。

ボンゴレと仲がいい。

「早すぎたか…」

時計の針は深夜の三時、
夜のおやつの時間を
指している。

今日は門外顧問のバジル
と共に
任務に出動することに
なっていたが
待っても来る気配が
ない。

「遅くなりました」
凛とした声に横をむけば
黒ぶち眼鏡のボンゴレ
ファミリー
門外顧問秘書の
オレガノが木に
寄っ掛かっていた。

「お、オレガノ!?何で
ここに…」
「ごめんなさいね、門外
顧問・沢田家光からの
伝言を取りに行ったのよ
バジルは」

期待してた?

何てニヤニヤ言う彼女に
ラルは別にと言って
「行くぞ」
と先に歩き始めた。







最近、
ボンゴレの領地を荒らす
弱小ファミリーが現れて
毎日のように深夜に
出勤し昼に帰宅という
ことをするため時間軸が
ずれかけている。

睡眠を余り取らなかった
せいか妙に眠い。

欠伸を我慢しつつも
オレガノが
着いてきてるか
確認する。

「心配しなくていいわ、
少し体力が
落ちてるだけよ」

ニコリと微笑する。

「だいたい、
何で門外顧問の秘書が
任務の前線に
たつわけだ」

ラルは疑問を
抱いていた。
秘書は秘書らしく
事務的な仕事をしてれば
いいと。

「それが出来てたら私は
ここには
来れなかったわ。
約束する、
足手まといにはならない
って」

そうこう
言っているうちに
気配が
大きくなっていく。
広場から殺気を感じる
ではないか。
まさか、
ボンゴレに裏切り者が
いるのか?
それはないだろうと首を
ふって
考えるのを止めた。

突然話しかけられ
彼女らは一瞬で
戦闘体勢に入った。

「やあ、
ボンゴレの門外顧問の
諸君」

闇夜に聞こえる声に
ラルは
リングに炎を灯し、
オレガノは安全装置を
外して構えた。




  
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