学校はお勉強するところ
□夏祭り
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夏休みの過ごし方についてのプリントを配られ、半蔵先生のロングルームが始まる。
暇つぶしにプリントに目を通してみる。
飲酒喫煙禁止、不純異性交遊、万引きするななどなど。
どれもする予定はないし、というか、したくもない。
夏休みは祭まで先生やみんなに会えないから、暇でだらだらしてることのが多いのだと思う。
思った通り夏休みは、家で寝転がってることが多かったけど、夕子と遊んだり、中学時代の友達と遊んだり、家族と買い物したり、おばあちゃんちに行ったり、時々宿題を片付けたりと、だらだら1日1日が過ぎていった。
暇な日が多かったけど、それでも時間が過ぎるのはあっという間だった。
明日、いよいよ夏祭りの日。
会いたい。鬼男、妹子、曽良くん、閻魔先輩、太子先輩、それから阿部先生。そして…芭蕉先生。
先生に会えない夏休みも、頭の中には芭蕉先生がいた。
寝る前になると先生の笑顔を思い出して、きゅんとなって切なくなって。
早く会いたいって思いばかり。
夏祭りの日まであと何日っていうのを毎日カレンダーで確認してた。
第二公園の時計台の前、待ち合わせ時間の5分前に来た。
そしたらわたしが一番遅かった。
「よ、久しぶり」
鬼男が歯を見せて笑う。
みんなすでに、集合場所に集まっていた。
「あんぬ遅いぞ」
と太子先輩。
5分前に来たのにな、と思うわたし。
「さぁ、行こう!」
と閻魔先輩。
阿部先生と芭蕉先生が笑顔でわたしを見ていた。
久しぶりの芭蕉先生。
頭の中じゃない、実際の笑顔はもっと素敵だと改めて思った。
祭に行く前からわたしの心は流行った。
人ごみに埋もれながら、屋台を見て回る。
たこ焼きやからあげの、食欲をそそる香りが漂う。
「オレ、イカ焼き食べたい」
閻魔先輩がそう言ったので、イカ焼きの屋台の前で歩みを止めた。
「共食いするんですか??」
「どゆ意味よ、鬼男くん」
「鬼男は閻魔先輩がイカだって言ってるんですよ」
冷静に言う曽良くん。
「オレ、イカじゃないもん!」
半泣きになってる閻魔先輩を見て、妹子が苦笑いをしていた。
その後、イカ焼きの近くにある、それぞれが買いたい屋台に自由に散らばることになった。
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