学校はお勉強するところ

□勉強、始めます
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朝のホームルーム,半蔵先生が言う。

「テスト勉強は始めましたか。テストまであと2週間を切りました。まだ始めてない人は今日から始めましょうね」

わたしはというとやっていない。
隣の鬼男も多分まだだ。
鬼男も成績はわたしと同じくらいの中の中。
テスト前,直前で一夜漬けするタイプだろうと見込んでいる。
半蔵先生はああ言うけれどまだ勉強しなくて大丈夫だろう,と思っていた。

なのに…。


今日の2限と3限に,数学と古典のプレテストを返された。
数学はいつも通り赤点ギリギリだったのだけど,問題は古典だった。

馬子先生が黒板に最高点と最低点を書き出した。

古典のテストは予想外に低くて自分でも驚いていた。
まさか,クラスで一番ビリを記録するくらい低いなんてショックだった。

わたしの古典の得点は42点。
黒板に書いてある最低点も42点。

鬼男にそっと古典のテストを見せれば鬼男は哀れむようにわたしを見て「ドンマイ」と言った。





「曽良くん,今日からわたしに数学と古典教えていただけませんか」

放課後,何やら難しそうな本を読んでいる曽良くんに頭を下げた。

「数学と古典…2つも教えなければいけないんですか??」

「そうなんです。どうかお願いします。テスト終わったらご飯おごりますんで」

「まぁいいですけど。あんぬさんって古典も苦手でしたっけ??」

「今日クラスのプレテストで最下位をとってしまいました」

「バカですね」

曽良くんのキツい一言にさらに凹むわたし。


「気にするなよ。たまたまだって」

鬼男がいつにもなく優しい言葉をかけてくれる。

「鬼男は数学と古典,何点だったの??」

鬼男も数学に関してはわたしと同じくらいだと思って聞く。

「今回,偶然にも良かったんだよね。数学56点に古典は80点」

鬼男がそう言った瞬間,わたしは鬼男のお腹にパンチした。

「痛ってぇ」

「鬼男な〜んか優しいと思ったら自分ができたからなのね。分かった,理解した」

ぶぅと口を膨らますと曽良くんと鬼男が顔を見合わせて,やれやれと首を横に振っているのを見た。

『なにその態度〜!』と言いたかったけれどそんなこと言うと曽良くんに勉強を教えてもらえなくなるので止めた。


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