学校はお勉強するところ

□甘い匂い
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缶ペンケースの中にシャープペン2本とシャープペンシル、そして消しゴム。

準備は完璧。
1限目は歴史、2限目は数学、3限目は古典。

いよいよテストが始まる。

今までの成果を表さないといけない。
数学で赤点をとったら曽良くんの断罪をくらう。
古典で赤点をとったら先生があれだけ手を施してくれたのに、それを裏切ることになる。

テストでこんなに緊張するのは初めてだ。

チャイムが鳴ると同時、テストが始まった。









「はい、解答を止めてください。解答用紙を後ろから集めてください」

4限目のテストが終わり、1日目のテストが終わった。

肩の力が抜けた。
わたしの中ではもうテスト自体が終わったようなかんじ。

明日は生物と英語だけで、その2教科はそんなに苦手なわけじゃない。
そして数学と古典が終わったのだ。

「お疲れ。テストできた??」

鬼男が柔らかい笑みを浮かべて言う。

「なに笑ってるのさ」

鬼男の目の前の笑みが珍しくてなんだか照れてしまう。

「いや。あんぬ頑張ってたから」

鬼男はそう言ってバックを机の上に置いて立ち上がった。

「部活行く前に自販機行かない??」

「いいよ」

鬼男と体育館の通路沿いにある自販機の前まで行った。

鬼男が財布を取り出す。

「飲みたいジュース選んで」

「え??」

「えってなんだよ。おごるって言ってんの」

「いいの??」

「うん」

「ありがと…」

わたしはオレンジジュースを指差し、鬼男がボタンを押してジュースを取って差し出してくれた。


鬼男とジュースを飲みながら部室に入る。



「よー!」

と太子先輩。

「お疲れ、あんぬちゃーん」

と閻魔先輩。

じっとこちらを見ているだけの曽良くん。

「テスト大丈夫でしたか??」

と心配そうに尋ねてきた妹子。

「多分、大丈夫なはず」

「そうですか。あんぬ先輩が河合先輩の断罪受けるとこ見たくないので」

「う…。大丈夫だよ…」

にこっと曽良くんに笑いかけてみせた。
でも顔がひきつってるに違いない。


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