学校はお勉強するところ

□炭酸マジック
1ページ/3ページ


「期末お疲れ様でした。かんぱーい!」

閻魔先輩のかけ声で、みんながジュースの入ったコップを重ねた。

芭蕉先生と阿部先生を交えて、ファミレスで打ち上げが始まった。

「お前たち、テストの出来はどうだったんだ??」

阿部先生がウーロン茶の入ったコップを片手に持ちながら尋ねる。

「オレはまあまあですかね」

閻魔先輩が言う。

「私もまあまあ」

「太子そう言っていっつも学年5位以内の成績なんだよね」

「太子先輩はなんなんですかね。普段は人間なのかさえ怪しいのに」

妹子が真顔で太子先輩に言う。

「なんなんだよお前ー!失礼な奴だ、大学芋のくせにー!」

「僕は大学芋なんかじゃありません」

「お前ら、仲良いよなぁ」

阿部先生が2人を見て感心するかのように言う。

「いつもうるさいですよね」

コーヒーを飲みながら曽良くんが言った。

「話は変わりますが、あんぬさんは今回のテスト、本当に頑張っていましたね」

曽良くんに誉められていることに気づいて、曽良くんを見る。

「えっ。そうかなぁ」

「頑張ってた。あんぬのこと少し見直した」

向かいにいる鬼男が微笑む。

「今日も目、腫れぼったいし。徹夜したのか」

鬼男に言われてドキリとする。
昨日はほとんどテスト勉強をしなかった。
徹夜はしていないけど、眠れなくて、ほぼ1日起きていた。

「まあね〜」

とわざとエラそうに言ってみせると、鬼男が「なんだし、その顔」と言って笑っていた。

ふと、少し離れた席に座っている芭蕉先生と目が合った。
先生は、困ったような、悲しそうな、何ともいえない表情でわたしを見ていた。だからわたしは、先生に微笑みかけた。
先生も真似するように、小さく笑った。

「あ、来たぞ!デミグラスハンバーグ誰だ〜??」

太子先輩がみんなを見回すが、そのデミグラスハンバーグは太子先輩が頼んだものだとわたしは記憶している。

「太子先輩のでしょう」

呆れたように曽良くんが言うと

「そうだっけ??悪い悪い」

とへらへら笑いながらデミグラスハンバーグとライスを自分の前に置いた。

次から次に料理が運ばれて、テーブルの上もにぎやかになった。



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ