VOCALOID
□デンドロビウム・ファレノプシス
1ページ/4ページ
!カイミクで付き合ってます!
ある日、ミクの借りているアパートへ訪れると、
玄関の鍵は開いたまま、ミクは自分の部屋にこもっていた。
まだそんな事を知らないその時の僕は
チャィムを鳴らす。
しかし、返事は無い。
おかしいな、何も言わず急に来たから
ミクはどこかに出かけてるのか…
無駄な抵抗として鍵が閉まっているであろう扉を開けてみる。
──ガチャッ
「うわっ!
あ、開いた!!」
まさか、という衝撃に思わず声が出てしまう。
今は1人暮らしをしているミク。
なんて不用心な…
そう思いながら、部屋に入り、鍵を閉めて靴を脱ごうとしたその時。
「ミクの靴がある…」
って事は家に居るのか…?
どうして返事が無かったのかな…
もしかしてお風呂に入っていたとか…?
どうしよう、鼻血が出そうだ…
ニヤけが止まらないぞ!!
「ミクー!!」
僕は少しニヤけながらミクを呼んでみる。
返事はすぐに返ってきた。
「来ないで!!」
え、ミク、超能力者?
まさか僕の頭の中のちょっぴりHなこと考えたの
見抜いたの!?
だったらごめんなさいごめんなさい!!
謝ろう、
ミクが超能力者だなんて、有り得ない事だけど
「来ないで」と言われた悲しみのせいで、その時の僕は冷静になど考えられなった。
「ミク!
ごめん!ごめん!ごめ、ん……」
声のした方にドタドタと謝りながら走っていくと、
そこには、僕の見たことのないミクが居た。
───その顔はとても綺麗で…
悲しいくらい綺麗すぎて…
──僕1人の存在なんかじゃ
足りないくらい君を愛せたら……‥・・
†