□ルドの次期部長の件
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休日、ルドルフ部長の赤澤の携帯に
後輩専用で登録してある着信メロディが流れる。

「なんだ?裕太か?」
「やあ、赤澤久しぶり」
「不二(兄)!!?」

通話の相手があまりに意外な人間だったので、おもわず口に含んでいたコーラを吹いてしまった。
当然前にいた金田にかかる。

「何故…貴様!俺の電話番号を!」

(はっ、裕太の携帯からかけてるだけだから別に全然不思議じゃねえか…)


「弟が世話になってるね」
「い、いや、こっこちらこそ」

(ってなんだ!俺は部長で裕太は後輩だ!)

さっきから何故か舞い上がってる己の頭の熱を沈下させるために一度大声で叫んでおきたい赤澤だったが、電話口の不二(兄)に驚かれてもいけないので、代わりに前にいる金田の頭をゲシゲシとこずいてみる。

「あのさ、ルドの次期部長の件なんだけど…さっき裕太から次期部長が金田クンに決まったって聞いたんだけどさ」
「ああ…」



「なんでウチの裕太じゃないのかな?」



(お前!裕太のママンかよ!
ずいぶん過保護だな!
そんなんじゃ子供が駄目になるぞ!
てゆうかだから裕太は家を出たのか!
よく理解ったぞ!)

しかし赤澤も修羅場慣れした大人な部長なのでここでは誠意ある対応を見せたいところだ。

「…え、えっとだな…裕太が金田より劣っているとかではな、なく…金田は控えめな性格だが…部の全体が見える奴だから…きっと部の全体も見てくれると…そう思った。それだけだ」

「単純馬鹿な裕太は全体が見えないってこと?」

「じゃなくて!裕太には部内の雑用とかに捕らわれずに、己の技を磨けるようテニスに専念しエースとして頑張ってほしいからだなああ!」

「エース…」
「そう。そう。」
「ふうん。別に赤澤が金田君をご贔屓にしてるからとかじゃないんだね」
「も勿論だ」



(俺を見くびるなよ!不二(兄)!)



「わかったよ。あ、今裕太トイレなんだけど僕が電話したこと裕太には言わないで。
また口聞いてもらえなくなっちゃうから。
じゃあね。忙しいとこ悪かったね」
「いっいや…」

電話がプッと切られる。








「こういう電話は観月にかけろよおおぉぉ!!!」
「不二(兄)さんですか?」

金田がオズオズと心配そうに尋ねる。

「観月さんとは基本的に犬猿の仲ですからね。過保護とか言われるのも嫌だったんでしょう?」




「ぬぁぁぁぁああ!緊張したあぁ!
 金田、コーラ買ってこい!!!!」




次期部長を相変わらずパシリにつかう
相変わらず愛情表現の歪んだ赤澤であった。






「あーあ。せっかく裕太の口から『部長の不ニです』って言葉、一度聞きたかったのになあ…」

「あっ兄貴!俺の携帯使ってドコ電話かけてんだよっ」

「…裕太。手洗ってないでしょ」
「洗ったよ!」






☆なんだコレ☆


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