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□お前は何を怒ってるんだ?
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※いきなり勝手に同棲設定で未来
※いつものエロおち
「君には失望したよ」
不二が吐き捨てるように言いながら、
バタンと大きな音を立てて扉を閉めた。
そしてそれからもう2時間近く
自室に閉じこもったままだ。
俺は溜息をつく。
「アイツは何を…すねているんだ?」
いつもの事だから放っておこうと思う。
もともと不二も俺と同様で
一人の時間を大事にしたいタイプであり
お互いのプライベートに余計な口出しを一切せず尊重しあえるところが、彼と俺とが長く付き合える秘訣のようなものだと認識している。
だがしかし、ひょっとして
「…俺はまた何か…アイツを
怒らせるような事をしたんだろうか?」
若干不安になって以前のパターンが
どうだったか回想してみる。
プロ転向後順調に好成績を収めている俺は
ここ数年マスコミによって
捏造による熱愛報道を度々流布されて
かなりウンザリしていた。
「誘われて断れなかったから
三回ほど食事に行っただけだ」
と言い訳するが
掲載されたゴシップ誌を買い集めてきた
不二は嫌味たらしく
それらをテーブルにズラズラと並べては
足を組みながら読みふける。
精神衛生上良い影響を得られるわけないものをなぜワザワザ読む必要がある?
「もちろん理解しているよ。
君は今をときめくテニス界の貴公子だもん。
そりゃぁ嘘のロマンス話でも一つや二つないほうが変ってもんだ。
君も大変だよね」
さすがは不二。
俺の苦労をちゃんと理解してくれているようで安心した。
「でもさ、この記事にある彼女と一緒に食事したっていうエスニック料理の店ってさ、ちょっと前に僕が美味しいって評判だから行ってみたいって君に言ったばかりの店じゃない」
「……だから…
今度お前を連れてってやろうと思って
…まず下見を兼ね…」
バシッ!!!
ゴシップ誌が一冊飛んできた。
「…手塚のくせに…!!
余計な気をまわさなくていいんだよ!!!そんなことされても
僕はちっとも嬉しくないっっ!!!!」
「………」
そうだ、
その後その全てのゴシップ誌を
思いっきり顔面に投げつけられたんだった…
思い出しただけで
背筋が凍りつきそうな猟奇的な事件だった。
俺は頭を振り
次の怒れる不二の別バージョンを回想した。