誇り高き太陽の華
□謎×兄弟×質問
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愛する意味さえ分からずにいるのに、
やわらかな明日に、何を嘆けばいい?
謎×兄弟×質問
ネテ「残った42名の諸君に、改めて挨拶しとこうかの」
ネテ「わしが今回のハンター試験、審査委員会代表責任者のネテロである」
ネテ「本来ならば、最終試験で登場する予定であったが…いったんこうして現場に来てみると」
ネテロは受験生をぐるりと見渡す。
ピリピリと張り詰める空気の中、ネテロは笑った。
ネテ「なんともいえぬ緊張感が伝わってきて、いいもんじゃ!」
ネテ「せっかくだから、このまま同行させてもらうことにする!」
「次の目的地へは、明日の8時到着予定です。こちらから連絡するまで、各自、自由に時間をお使い下さい」
そう言われた瞬間、キルアとゴンが元気に動き出した。
キル「ゴン!!飛行船の中探検しようぜ!」
ゴ「うん!!」
レオ「元気な奴ら…」
『子供ってスゲーわ…』
クラ「………;」
呆れる三人。
そのまま行くと思いきや、ゴンとキルアは振り返ってこっちへ走ってきた。
ゴ「レンさんも一緒に行こー!」
『は……?;』
笑顔を浮かべる2人を見て、ベネディーは肩を落とす…
こんなに楽しそうな表情をされてしまったら、断るに断れなくなったベネディー。
キル「どーせ、暇だろ?」
ゴ「決定ー!行こう!!」
『いや、俺は…;』
左腕にはゴン、右腕にはキルア…
2人に引っ張られて、連れて行かれるベネディーわ見て、レオリオとクラピカはかなり同情していた。
* * * * * * *
ゴ「うわ、すげー!宝石みたいだねー!」
一通り飛行船を探検して、今は夜景を見ながら一休み中。
ゴ「キルアのさァ…」
キル「んー?」
ゴ「キルアの父さんと母さんは?」
キル「ん―――?生きてるよ―多分」
ゴ「何してる人なの?」
キル「殺人鬼」
あっさりと言うキルアに、ゴンはきょとんとした顔で答える。
ゴ「両方とも?」
ゴンの言葉にベネディーもキルアも笑った。
『くくっ…』
キル「あはははっ!面白いなお前ー!」
ゴ「?」
キル「マジ面でそんな事聞き返してきたの、お前が初めてだぜ」
ゴ「え?だって本当なんでしょ?」
首を傾げるゴンをキルアはじっ…と見つめる。
ベネディーは、2人の会話を黙って聞いていた。
キル「なんでわかる?」
ゴ「なんとなく」
キル「おかしいなァ――どこまで本気か分かんないコってのが、チャームポイントだったのに」
ゴンはふーん、と相槌しながらキルアの話を聞く。
キル「オレん家、暗殺稼業なんだよね。家族ぜーんぶ」
キル「そん中でも、オレすげー期待されてるらしくてさー…」
キル「でもさ、オレやなんだよね、人にレール敷かれる人生ってやつ?」
だんだん話が文句に変わっていっている…
キル「“自分の将来は自分で決める”って言ったら、親兄弟キレまくりでさー!」
キル「母親なんか、オレがいかに人殺しとして素質があるかとか、涙ながらに力説するんだぜ!?」
『(言いそうキキョウさん…;)』
キル「結局ケンカになって、母親の顔面と兄貴の脇腹刺して家おん出てやった!」
嬉しいそうにそう言うキルアに、ゴンは呆れ顔。
キル「ハンターの資格取ったら、まずうちの家族とっ捕まえるんだ!」
キル「きっといい値段で売れると思うんだよねー!」
自分の身内を売ろうなんて、楽しそうな表情をして言うのはキルアだけだろう…
凄い子だな、なんて思いながら、ベネディーは笑っていた。
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