誇り高き太陽の華
□さよなら×友情×ありがと
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悲しい雨が降り続いても、
もう君の事では泣かないよ。
さよなら×友情×ありがとう
扉がガガガ…と開き、薄暗かった塔の中に、眩い光が差し込んでくる。
いきなりの外の光に、一瞬、目が眩んだ。
一歩、外に出れば輝く太陽と、小鳥のさえずり…空気は澄んでいて、清々しい気分だ。
「久しぶりの外だわ」
『お前、服役囚だったもんな』
「うるさいわねー、私も今日から自由よ!」
『それはー良かった事』
そこへ、試験官が現れ、受験生に話をし始める。
「諸君、トリックタワー脱出おめでとう。私が賞金首ハンター兼、三次試験官のリッポーだ」
「さて、早速だが諸君には…」
リッポーはそう言い、パチンと指を鳴らす。
すると、崖の下に船が現れた。
「これに乗ってもらう」
船の登場にレオリオは渋い顔をする。
レオ「ハァ…いきなり次の試験会場に連れて行かれんのかよ…」
ゴ「いーじゃん!船に乗れるんだよ!」
レオ「いーじゃんって、お前…;」
『くくっ、ゴンらしいよ』
ゴンの発言に、ベネディーは笑った。
船に、三次試験に合格した受験生が、次々と乗り込んでいく…
ゴ「レン兄ー行かないのー?」
『すぐ行く、先行っててくれ』
ゴ「わかったー!」
ベネディーはゴン達にそう言うと、シルクに向き直った。
「あのー…ありがとう、色々と」
『いーよ、大した事してねぇーし』
「私、ちゃんと更正するから。貴女が恥じないよう、一生懸命に生きていくから」
「私がした罪は、消えない。だけど、償うためにも誰かのために役に立ちたい…」
シルクは、真剣な表情でベネディーを見つめる。
「こんな私でも、誰かの役に立って…ありがとう、って言われるような人間になりたい」
「貴女との、約束…守るわよ」
『……無理じゃない?』
「んなっ…!?」
『何てね、冗談よ』
ふふっ、と笑うベネディーにシルクは頬を膨らます。
『貴女なら、出来るわよ。頑張ってね』
「えぇ、もちろんよ」
ベネディーは、シルクの前にに手を差し出した。
「なに?」
『握手、友情の証ってね』
「何よソレ!」
お互い笑い、手を握った。
『次に会う時は、シルクがどういう人間になってるのか、楽しみだわ』
「あら、そっちこそ性転換してるなんて止めてよね」
『するわけないでしょ』
「あ、今度会った時はコートや何やらのお礼するわ」
『ホント?』
イヤーな笑みを浮かべるベネディーに、シルクはとてつもなく嫌な予感がした。
『そのコート、35万Jだったから、よろしく』
「―――!!?」
開いた口が塞がらない、とはこの事だろう。
シルクはベネディーに、貸しを作るのだけは止めよう…と心に誓った。
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