誇り高き太陽の華

□別れ×半年×ヨークシン
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眠ることさえ

おびえていた。











別れ×半年×ヨークシン






シルバさんに任務を頼まれて、帰って来た時にはゴン達は屋敷を出た後だった。

キルアと漸く会えたらしい3人はキルアと共に出発したとシルバさんから聞いた。
私が任務に出ていた2日間の間に淡々と話が進んでいたようで、まぁ、色々と合ったみたいだけれど。


とにかく、私は直ぐにゴン達を追い掛け屋敷を出た。
町に降りて辺りを捜して回る。


すると、目の前に4人の姿を見つけた。


ゴンが何やら3人に丸いバッチのような物をどーんと突き付けている。大声で何かを意気込んでいるみたい。




ゴ「かくかくしかじかで渡されたこのプレートをヒソカに顔面パンチのオマケ付きでたたき返す!!」


ゴ「そうしないうちは絶対、ハンター証は使わないって決めたんだ!!」




ゴンが持っていた物はどうやらハンター試験の時のナンバープレートだ。44と書かれたプレート、ヒソカの番号。

ゴンはあの時のことを引きずっているな、引きずっているとも少し違うけれど…確かに気持ちは分からなくない。
私がゴンの立場だったら、同じことをするハズね。私も結構、頑固だから。




キル「ふーん──で、ヒソカの居場所は?」




キルアの問いにしばしの沈黙。

どうやらゴンは分からないのに意気込んでいたみたいね。ゴンらしいといえば、ゴンらしいけど。




『私も知っているよ。ヒソカの居場所』


「「ベネディー姉ちゃん!」」




ゴンとキルアが私の元に駆け寄って来た。

そんな2人に私は微笑みかけて…ギュウゥーっと頬をつまんだ。




「「いでででっっ!!?」」


『私を置いて行くなんて、薄情者め』




頬を放してあげれば、2人は少し赤くなった頬をさすりながら謝ってきた。

まぁ、可愛いから許す。




キル「親父に呼ばれて任務に来てたのかと思ってた」


ゴ「オレは先にキルアに会って帰っちゃったのかと思った」


『確認してから出て行きなさいよ』


ク「ベネディーさん、ヒソカの居場所を“私も”知ってるというのはどういう意味で?」




クラピカは頭が良いな。私がそう言ったことに気付いたわけか。




『9月1日、ヨークシンシティ』


ク「!」


レ「どーいう意味だ?」




私の意味深な言葉にクラピカは驚いた表情を見せる。一方、ワケが分からない3人は首を傾げた。

それから、クラピカはハンター試験でヒソカに耳打ちされたことやその後のことについて説明した。


“クモについて、いいことを教えよう”


ヒソカにそう言われたらしい。

クモとは幻影旅団のシンボル、ゆえに旅団に近しい者は奴らをそう呼ぶ。
それを知っていたヒソカの情報に興味があったクラピカは、ハンター試験後にヒソカに問いただした。

その時に、9月1日ヨークシンシティで待ってると言われているのを聞いた。

たまたま聞こえて来たんだけれど…別に盗み聞きをしたわけじゃないわよ。




ゴ「9月1日…半年以上先だね」


キル「ヨークシンシティで何かあんの?」


レ「世界最大のオークションがある!」


ク「そうだ」


『9月1日から10日までの間よ』





世界中から珍品・希少品・国宝級の貴重品が集まる。もちろん、その何十倍のニセモノもだけど…

それらを目指し海千山千の亡者達が欲望を満たすためやってくる、世界で一番お金が集まる場所。





レ「旅団が来るのかな」


ク「かもな。少なくとも関わりの深い連中はごまんと来るだろう」





世界最大のオークション…私はいつも行っている。国を飛び出してから一度も欠かすことはなかった。

旅団が今回のように動き出すように、奴ら“蛇流団”もいつの日か現れるかも、と僅かな期待をして私は毎回オークションに足を運んだ。


結果、この数年は何もなかったけれどね。





ク「というわけで、その日ヒソカはヨークシンのどこかに居るはずだ。見つけたら連絡するよ」


ゴ「分かった、ありがとう!」


『クラピカ。私も旅団の情報が入ったら連絡するわ』


ク「あぁ、助かる」




心配だわ、クラピカが旅団について知れば知るほど変わってしまいそうで…実際、私もそうだから。




ク「じゃあ、私はここで失礼する」


ゴ「え?」


ク「キルアとも再会できたし、私は区切りがついた。オークションに参加する為には金が必要だしな」




これからは本格的にハンターとして雇い主を探すとクラピカは言った。

まぁ、まだプロのハンターじゃないから苦労すると思うけれどね。




ゴ「クラピカ、ヨークシンで会おうね!」


レ「さて…俺も故郷へ戻るぜ」


ゴ「レオリオも!?」


レ「やっぱり医者の夢は捨て切れねェ。国立医大に受かれば、バカ高い授業料は免除されるからな」




じゃん、とレオリオはハンターライセンスを出した。




レ「これから帰って猛勉強しねーとな」


ゴ「うん、頑張ってね」


キル「姉ちゃんはどーするんだ?」


『私も用が出来たからね、ここでお別れ』


ゴ「えーっ…ベネディー姉ちゃんまで!」


『ごめんねーまた会いましょ』




本当はもう少しみんなの成長を見守っていたいけど、そうもいかないから…残念ね。




レ「また会おうぜ」


ク「そうだな、次は…」


「「『9月1日ヨークシンシティで!』」」




それぞれの決意と目的の為、私達は一旦別れる。

9月1日ヨークシンシティ、あと半年以上先だけれど4人がどう成長して来るのか楽しみだわ。



さて、ヨークシンシティか…今年は何だか波乱の予感がするけど、気のせいだと良いわね。

























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