トラブルメーカー

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てか、ジロちゃんはいつになったら起きるんですかい!?
もうお昼休みなんだけど…。



私はまさかの弁当を持ってくるのを忘れ、宍戸さんに学食をおごってもらうことにした。
ありがたいぜ、宍戸さん!
それでジロちゃんも連れていこうと思ったんだけど…。


たまこ「ジロちゃーん、お昼ですよー」

慈郎「…ふがっ……zzZ」

たまこ「ジ・ロ・ちゃ・ん…」

今度は耳元で囁いてみた。
すると、

慈郎「…Σ!?」

ビクビクっと体を震わせ、やっと起きた。

たまこ「あ、起きたー!!おはよう、ジロちゃん、ご飯食べに行こうか」

慈郎「へ?え?あ、ちょっと待って…!!」



たまこ「おう、宍戸さん、待たせたな、行くぞ」

宍戸「ん、ああ、起きたか」

慈郎「え?宍戸?この子は?へ?」





いまいち状況が掴めていないジロちゃんには、食堂についてから話した。






慈郎「あ、じゃぁ、もしかして膝枕してくれてたのって、たまこちゃん?」

たまこ「そーでーす!」

慈郎「そうだったのか〜重かったでしょ?ごめんね〜?」

たまこ「ううん、ジロちゃんの髪フワフワで気持ち良かっt「おい、忘れもんだ」


まるで自重しろというように私の言葉を遮ったのは、私の弁当を持った跡部たまだった。


たまこ「あ、ありがとう!」

宍戸「おいおい、なんで跡部が田中の弁当持ってんだよ」

跡部「あぁ、こいつ住む場所ねぇから居候させてやってんだよ」

宍戸「はぁ?」

たまこ「あれ?宍戸さんたちには喋ってないの?」

跡部「いや、話したが…鳳からなにも聞いてないのか?」

宍戸「…………」





━宍戸・回想開始━


鳳『宍戸さん!!あのマネージャーって…』

宍戸『お、長太郎!軽く走ってから帰ろうぜ』

鳳『……、はい、宍戸さん!!』







宍戸『よし、そろそろ帰るか』

鳳『あ、宍戸さん、田中さんって別世界から…』

宍戸『あ、いけねー…部室に忘れもんしちまった!!』







鳳『宍戸さん、』

宍戸『なんだよ、長太郎、待ってたのかよ?』

鳳『はい、宍戸さん。ところで、マネージャーの田中さんってトリップしてきたそうですよ…って宍戸さん、聞いてますか?』

宍戸『ん?あぁ、聞いてるよ。で、鳥がどうしたんだ?』

鳳『宍戸さん…』



━宍戸・回想終了━





チョタ…。
うん、頑張って、チョタ。
私、腐ってないからあまり言えないけど、メアリーは腐ってるから…メアリーに代わって応援しておくよ。



跡部「まぁ、いい。あとでまたちゃんと話す」

宍戸「ジローは知ってんのか?」

慈郎「え?うん、知ってるよ。俺ちゃんと起きてたCー」

宍戸「俺だけかよ…くそ、激ダサだぜ!」


うっほー!!
生の「激ダサだぜ!!」キタ━━━━!!
そういえば、名ゼリフを聞いたのは宍戸さんが初めてだな。
まぁ、ジロちゃんは特にないけれど…。

やっぱり、一番聞きたいのは、跡部たまの台詞集ですな。


でも、やはり一番聞きたいのは、におたんの「プリッ」、「ピヨッ」、「プピーナ」ですな。
だめだ、ボイスレコーダーが欲しい!!
てか、ケータイ!!



急に思い出しポケットからケータイを出す。





たまこ「…やっぱり」

宍戸「どうしたんだ?」

たまこ「電源がつかない…」

跡部「電源が?」

慈郎「なんでなんで?」

たまこ「だって、このケータイ…こっちのじゃないもん。電源がついたとしても、何も使えないよ」



跡部「なるほどな。だったらこれを使うといい」

そう言って跡部たまが制服の内ポケットからケータイを出した。

たまこ「え?くれるの?」


跡部「あぁ。それは予備用だから、俺の家の番号と俺の本ケータイの番号しか入っていない」



こ、これで……
みんなのセクシーショットとか、スペシャルボイスとか、○○○とか△△△の□□□□とかが…!!


たまこ「……」


跡部「…?おい、どうしt「跡部たまー!!ありがとう、大好きよ!!」

嬉しさのあまり跡部たまに抱き着いた。


跡部「Σなっ///」

慈郎「あー、跡部ずるーい!!」



たまこ「で、このケータイのメアドは?」

跡部「ああ、設定していないから好きに使え」


そうか…ならば、何にしよう。
てか…


たまこ「誰にしよう…」


宍戸「なに悩んでんだよ」

たまこ「いや、メアドなんだけど…誰の名前にしようかと」

慈郎「名前?」

たまこ「男子はよくわからないと思うけどさ、女子はこういうのに好きな人とかのイニシャルとか誕生日とか、関連するものを入れる人がいるんだよ」

跡部「フン、そんなんで恋が叶うとでも思ってるのかよ?」


なんだよ、お前。
ここで食うのかよ。
てか、昼から肉食うのかよ。


たまこ「跡部たまには乙女心がわからないのねー。いいわよ、跡部たまのなんか一つも入れてやらないんだから!!」

跡部「アーn「じゃぁ、俺の入れてよー!!」

たまこ「いいよ、ジロちゃんの誕生日は?」

慈郎「5月5日だよー」

たまこ「なるほどー…こどもの日だね」



宍戸「おい、イチャつく時間ないぜ。チャイムなったぜ」

たまこ「なによーぅ、しっしどー。自分が入れてもらえなかったからって拗ねてるわけぇー?」

ぶーぶーと言って宍戸さんの肩をちょんちょんと指でつつく。

宍戸「す、拗ねてねーよ!!///」

たまこ「うんうん、そっかそっか。じゃぁ教室に戻ろうか!!」

宍戸さんとジロちゃんの背中を押し、食堂を後にした。
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