立海夢

□60cm
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次の日も、授業中に寝て放課後に起きて、部活をしている。今日はちゃんとテニスしてる。
昨日のイライラがバーンってなってうがぁーって感じで、テニスしてる。



ちょっと気になってフェンスの方を見てみた。チラッとだけな。
昨日あんなに言ったのにまたたまこが来てた。
遠目でよくわかんないけど、俺の方を見てるっぽい。嬉しいって思っちゃったりしてる。

するとポン、と肩に手を置かれた。振り向くと仁王先輩がニヤニヤしながらフェンスの向こうを見ていた。


「…なんすか」

「あいつ、お前さんの彼女か?」

「…違いますけど」

「…ふん。そうかそうか」


さらにニヤニヤと笑いながら(正直キモい)なにかわかったような様子で去って行った。
と、思ったらたまこの方に行ってた。

彼女じゃないと聞いて口説きに行ったのか?ふざけんな。彼女じゃなくても近い未来、あいつは俺の彼女になるんだよ。てかするんだよ。

フェンスに寄り掛かりたまこに話しかける仁王先輩。…だったけどたまこはどこか警戒気味だった。
まぁそりゃそうだろうな。いくら昨日話したことある人でも、あんなににやけながら話し掛けられて快く思う奴はいねぇよ。ざまぁみろー。

勝ち誇った感じで仁王先輩たちに背中を向け練習に身を入れた。



















だけど、数十分経ってから気になってたまこの方を見たら、まだ仁王先輩がいた。

懲りないなぁ…なぁんて思っていたけど何やらたまこの様子が変わった。
ぎこちない感じだったのが打ち解けているように感じる。なんだかお互いに笑い合っているし、楽しそう…。

なんで?なんで急接近した?なにがどうなってそうなった?

俺の頭の中はハテナがいっぱい浮かんだ。何を話してるか気になって真田副部長の目を盗んで二人の元へ行った。





「仁王先輩、なに話してんすか?」

「ん?あぁ…実はな」

仁王先輩が言いかけたがたまこが必死に言わないでと人差し指を口元で立てている。
ないしょ話か?

「まぁ、世間話じゃ」

たまこのジェスチャーを見て軽くごまかした。

「二人だけの秘密じゃからのぅ?」

「う、うん!赤也はダメだよ」

そのことを聞いて、ちょっとむっとした。その二人だけの秘密ってのに嫉妬した。

「あ、そ」

面白くなくて拗ねた態度でコートに戻った。




















その日の帰りもあまりいい雰囲気じゃなかった。

「仁王先輩と何話してたんだよ」

「んー、ちょっとね」

「俺の話?」

「ないしょー」

何の話題かも教えてくれない。誰の話かも教えてくれない。
たまことたまこの友達同士での秘密なら許せるけど、たまこと俺の知り合いの場合はなんか嫌だ。
知り合いに抜かされた気分。知り合いの方がたまこを知ってる感じがする。
俺が一番なのに、俺がたまこのことを一番知ってるはずなのに。
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